勝者には声援が送られ、敗者には厳しい声が掛けられる。そんな中この日、二人の敗者にだけは賞賛の声が客席から送られていた。
1人目は三浦稔希、逃げる地元竹田慎一の番手戦、捲ってきた黒田淳に対し再三に渡るブロック、自身は5着に沈んだが竹田慎一の記念初勝利に大きく貢献した。
2人目は岡崎智哉、SS金子貴志と地元支部長宮越大に任せられたこのレース、岡崎は青版バックから先行策に打って出た、満を持して金子が最終Hで番手捲り、見事中部ワンツーが決まった。
この二人に共通しているのは、一次予選が5着だったこと。繰り上がりで助かった命を惜しみなく地元選手に捧げたのである。
ガッツポーズをする地元選手が通りすぎた後で、客席から「三浦良かったぞ」「岡崎良くやった」とそれぞれ声が掛かっていた。
人が走る競輪。地元を応援する声はもちろんだが、自分の役割に徹する走りをした両選手にも声援がしっかりと送られたことに、競輪の素晴らしさを改めて感じた一日となった。