遅くなりましたが本日のしんぶん赤旗のいくつかの記事題名です。

 「本紙告発 万博中心地にガス 協会認める ”どこでも爆発”危険明らかに」

 「北朝鮮ミサイル一斉発射 短距離10発超探知 EEZ外に」

 「トヨタ 会長再任に反対推奨 6月の株主総会巡り米助言会社」

 「保有国債含み損9.4兆円 日銀 3月期で過去最大」

 「日産8.4万台に運転中止警告 米当局」

 「無意味な戦争 もうやめて イスラエル兵の母 血染めの抗議」

 「ガザ停戦呼びかけ 中国主席」

 「ロシア領攻撃容認は柔軟に 米国務長官」

 「与党 過半数割れも 南ア総選挙」

 「■トランプ公判で評議入り」

 「ドキュメント72時間 浅草アンダーグラウンド」

 「きょう31日 世界禁煙デー 一刻も早くタバコやめよう 家族の支援も大切です 北海道旭川市・道北勤医協ながやま医院院長 松崎道幸さんに聞く」

 「大谷 14号10戦ぶり 今永が初黒星 大リーグ 左方向復調の兆し 黒人リーグ成績 公式記録に」

 「『ガザ即時停戦を』上智大学長が訴え」

 「生活道路速度最高30㌔に」

 「手りゅう弾で隊員死亡 陸自北富士演習場 訓練中に 山梨」

 ◎2017年に栃木県那須町で登山講習会中に高校山岳部の生徒ら8人が死亡した雪崩事故で、宇都宮地方裁判所は教諭ら3人の被告に業務上過失致死傷罪で禁錮2年の実刑判決を言い渡しました。ネット記事ではやはり被害者遺族の心情を強調していますが、一般論として被害者(遺族)の気持ちを尊重するのは良いのですが、やはり刑事裁判にそういうお気持ちを持ち込むのは限界があるのでは。

 前にも書きましたが犯罪被害者遺族は事件事故時に現場にはまずいないので(「犯罪被害者」は強盗や傷害や強姦や交通事故などではその場にいた直接体験者なので、むしろ裁判で証人として出廷して証言することはあり得る)事件事故の真相を知らないです。事件事故の真相を知らないのにその人の気持ちを尊重とはこれ如何にでは。

 この雪崩事故で真相を知っているのは実刑判決を言い渡された講習会責任者や生徒を率いた教諭です。被告・弁護側は無罪主張をしています。判決では被告人が雪崩発生の危険性を予見することは可能だったとしています(業務上過失致死傷事件では事故が確実に発生するとの予見は必要ない。この宇都宮地裁の判決のように事故発生の可能性を認識していて安全対策をしなければ有罪判決もあり得る)。ここでパラドックスで雪崩発生があるかも知れないと思って、でもそのまま講習会でこれではこの教諭らは自己矛盾行動では(少なくとも教諭は死亡した生徒の班と後続を引率していた)。

 やはり犯罪被害者遺族が被告人に厳罰を求めるのは当然でそれは自己に有利な行為で(こう言うと犯罪被害者遺族を批判しているように思えるかも知れないが、人間が自己に有利な行動をするのは当然の権利とも言える)意味がないです。逆にこの雪崩事故でも被告・弁護側が無罪主張をするのも自己に有利な行為でそのままでは意味がないです。証拠でなぜそう言えるのか裁判で証明すべきです。刑事訴訟法でも第三二二条で被告人の自白調書で不利益な事実の承認、つまり有罪を認める内容である時は裁判所はそれをそのまま証拠として採用することができるとしています(但しそれで必ず被告人が有罪になるわけではない)。なぜなら人間は自分に不利なことはなかなかしないのに有罪を認めるということはそれは事実であろうだからです。犯罪被害者遺族がむしろ嘆願書などで減刑を求めるのならそれは意味があるのでは。この雪崩事故でも我が子を失った気持ちは察するに余りあるとしても「察するに余りある気持ち」に報いるために教諭らが処罰されるべきではないのでは。あくまでも生徒ら8人の生命を故意ではないとしても結果として奪った「行為」を処罰するのでは。そうでないと我が子を失ってもその心情を抑えてその子は天に召され偲んでいる、とするような事件事故での犯罪被害者遺族の気持ちは尊重しなくてもいいので被告人を処罰しないことにもなるのでは。

 それからこういう学校行事の事故での実刑判決で危惧されるのはそれでは安全対策を強化、ではなく万が一の事故のリスク、しかも刑事責任を追及されるのなら学校行事そのものを止めようという方向になるかもです。この辺りは航空機事故をなくすのには航空機を飛ばさないのなら絶対航空機事故は起こらないのと似ていますが(実際にはもちろん航空機をいっさい飛ばさないことはできないが)。それでも学校行事をやって万が一にも事故が起きて、でも関係者は行事中止を責任者に進言したが受け入れられなかった、という弁解が出て来るでしょう。どうしてもこの宇都宮地裁の実刑判決でも安全対策を強化して事故の再発防止になるとも思えないのですが。

 刑法は細かく言えば人(被告人)を処罰するのではなくその行為を処罰するのですが、この宇都宮地裁の実刑判決でも被告人が訓練区域を明確に定めず周知もしなかった行為を認定し問題にしています。しかし判決内容やネット記事にある犯罪被害者遺族の気持ちは察するに余りある、は何か違うような気もします。これではとにかく結果として8人死亡しているから処罰を、になります。犯罪での処罰はその被告人がまた犯罪をしないこと(特別予防)と他の一般市民も同じ犯罪をしないように(一般予防)警告することですが、この雪崩事故で教諭らを処罰(しかも実刑)してはたしてその教諭と一般市民の業務上の犯罪を止めさせる効果や意義があるでしょうか。はなはだ疑問ですが。やや不可解な雪崩事故での実刑判決かなとも思います。

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 ではまた。今度は月曜日にお会いしましょう。ごきげんよう。