深夜ですが昨日のしんぶん赤旗で見逃した記事題名です。

 「能登地震 伝統産業支援さらに 党国会議員団 政府に聞き取り」

 「駐留兵死亡 米政権 報復辞さず 専門家 『ガザ停戦こそ必要』」

 「東京メトロ株売却市場動向見て検討 財務相」

 「鼓動 サッカーアジア杯 地上波放送ないの? 背景には放映権の高騰 問われるAFCの姿勢」

 「能登半島1.1地震 3食提供■ペット同伴■駐車場 2次避難所 課題あらわ 『被災自宅に戻るのか』」

 「共同親権 強行しないで 法務省前でスタンディング」

 「谷川元議員公民権停止3年 パーティー収入不記載」

 ◎前回に引き続き先月の羽田空港での日本航空機と海上保安庁機との衝突炎上事故ですが、航空雑誌「AIRLINE」(イカロス出版)3月号で指摘されている点を踏まえて見て行きます。

 まず事故原因について前にも書きましたが航空機は管制官の許可がなく勝手に離陸や着陸もできませんし、飛行中も勝手に方向や高度を変えることもできません。この点は航空機と同じく自由度が高い自動車交通とは根本的に違います。この羽田空港での衝突炎上事故でも管制官は離陸予定の航空機にまず滑走路の進入手前での待機を命じます。そしてその滑走路の離着陸が終わって順番が来ると滑走路への進入許可を出します。それで離陸ではなくまず滑走路上で待機です。そして前の離陸機からの距離できて影響(タービュランス、後方乱気流と言って前の離陸機からのジェットエンジンやプロペラからの気流がなくなってから離陸許可を出す)を受けないようになって始めて離陸許可が出ます。パイロットは管制官からの許可が出る度にその内容を復唱(くり返す)します。これでもこの羽田空港での衝突炎上事故は防げなかったのです。もうこの事故防止の点は専門家の議論を見守るしかないのでは。素人が迂闊に素人考えで口を出すのはネット社会でもあるのでおかしな事故防止策が力を持ってしまうと専門家も影響を受けてしまい危険だと思います。

 それから今回の羽田空港での衝突炎上事故でエアバス350型の日本航空機から乗客乗員全員が無事に脱出できたのは奇跡などと専門家だけでなく一般市民からも称賛されていますが、はっきり言ってそれは危ないです。なぜならご存知の方も多いでしょうが旅客機は半分のドアしか使用できない状態で90秒以内に脱出できるように設計されていて、それを航空当局の審査や訓練で証明できなければ飛ばすことはできないです。今回の羽田空港での衝突炎上事故での日本航空機で使用できたのは8カ所のうち3カ所だけです。半分以下です。これは想定外そのものです。これを想定外の厳しい条件でも日本航空のアテンダントやパイロットは乗客を全員脱出させてよくやった、と手放しで称賛するのは危険です。セキュリティーに関わることを精神論で乗り切ろうとするのは悪手です。精神論を推し進めて行くと最後は安全対策はしなくてもいい、いざという時には頑張ればいいになってしまうので。そしてそういう精神論を進めていざという時に失敗があると誰かに責任を押し付けようとします。システムが構築されていないので失敗の原因が人にしかないということになるので。航空機事故という重大な結果が予想されることで当事者に責任を押し付けるのはそれは責任逃れです。事前に事故が起きても被害は最小限にするシステムを構築すべきなので(そのシステムが事故時で半分のドアしか使用できない状態でも90秒以内に脱出できるということだったのだが)。

 それでも今回の羽田空港での衝突炎上事故でアテンダントさんが機体で火災が発生でその近くのドアから脱出できないと判断して3カ所だけのドアを使用した判断は妥当だったでしょう(この半分のドアしか使用できない状態で90秒以内に脱出できるようにの基準は当然今回のように機体が火災でその近くのドアが使えないことも想定している)。一番の当事者であるアテンダントさんの判断なのでまずそれが正しいとしか言いようがないです。

 結果的に全員が脱出できたので美談になっていますが、例えばアスリートがスポーツの試合に出場する場合に事前に服装や用具やドーピング検査や体重などの規定違反があったらそもそも出場できないです。しかし今回の羽田空港での衝突炎上事故で日本航空機のエアバス350型が機体が火災で8カ所のドアのうち半分以下の3カ所しか使用できないことが分かってもでは規定違反で基準に達しないから脱出は止めようにはならないです(あまりにも当然だが)。アスリートなら出場停止で済みます。アテンダントやパイロットはそれでも乗客全員を脱出させねばならなかったのです。しかも自らの脱出は後にしても。

 やはり最新鋭のエアバス350型機(その事故機はまだ日本航空に納入されて2年だけだった)で事故時に半分以下のドアしか使用できなかったのは深刻で検証が必要ではないでしょうか(滑走路上での他機との衝突で火災が発生というそれなりにイレギュラーな事故ではあるが)。全員脱出への手放しでの称賛よりも。

 ではまた。おやすみなさい。