猫も杓子も老いも若きもキメツキメツ言いはじめたのは、もう4年近く前の話か。

それまでにも子供がハマってるという話を複数のママ友から耳にしており存在自体は知っていたのだが、大きく興味を引かれたのは、コロナ禍真っ只中の2020年10月。
無限列車編映画化にあたり、これまでのアニメが一挙放送されたのを機に視聴してみると、あらあら、何とまぁ先が気になるおもしろさ。
当時小3だった次男のクラスでもキメツの話題で持ちきりだった模様。中には早くも映画を4回も観たという猛者もおり、我々も映画館へ足を運んでみることにした。

ありきたりな感想ではあるが、いたく心が動かされた。
特に、炭治郎が家族と過ごす幸せな夢から目覚めたくないと「本当なら」と葛藤する場面、煉獄氏が最期まで心を燃やすシーンでは人目も憚らず涙し、そんな嗚咽をもらしまくる母の姿に若干次男は引いていたように思う。
が、それも構わぬほどに感情が揺さぶられた。

となると、もう次の映像化など待ってはいられない。この余韻のまま原作を読み進めたい。

無限列車編の先を収めた原作8巻以降、どこも在庫切れなのは承知。多少のおあずけは我慢するよりほかない。

すぐさま大型書店で最終巻まで予約し、増刷されるのを待った。
その年の年末年始、ステイホームのお供にキメツが選ばれたのは言うまでもない。

その後、遊郭編、刀鍛冶の里編、柱稽古編と着々とアニメ化されていったわけだが、先日柱稽古編最終回が放映され、本作最大の山場ともいえる無限城編が劇場三部作となることが告知された。

産屋敷邸襲撃から柱集結、無惨の不気味な笑みと共に無限城へと落ちる場面転換がたまらない。
久しぶりに続きが読みたくなり、16巻以降、書棚から引っ張り出し一気読みした。

ホントどんだけ構成うまいのよ、すごいわ、もう。
いまや、次男より私のほうが劇場版無限城編の完成を待ち望んでいる。
まずは一部ではどこまでを描き、どう二部へとつなぐのかが興味深い。
そして、きっとまたufotableはものすごい作画を仕上げてくるのだろうと期待しかない。

ちなみに、無限城以降、最も私の涙腺を緩ませたのは、他ならぬ伊之助だ。

「人を想う」ってすばらしい。

永遠というのは人の想いだ
人の想いこそが永遠であり
不滅なんだよ


最終巻まで読んで気づく。

お館様の名言も無惨を介するとこうなるか、

と考え方の対比の巧さにも唸らされた。