December,2021
滋賀を後にし、京都に立ち寄るといっても、その日のうちに実家へ着くには京都駅周辺がベター。
大きな荷物は京都駅のロッカーに預け、電車でアクセスできる伏見稲荷大社を訪れることにした。
“お稲荷さん”の呼称で親しまれている伏見稲荷大社は、全国に約3万社ある稲荷神社の総本宮。朱塗りの鳥居が無数に連なる千本鳥居が有名で、その様子をSNSに投稿する人も少なくない。
その影響かは知らぬが、JR奈良線の車内はすでに観光客とおぼしき人達で賑々しい雰囲気であった。
駅のすぐ目の前にそびえ立つ大きな鳥居が、伏見稲荷大社の表参道入口だ。ここからさらに二番鳥居をくぐると、階段の上にひときわ目を引く楼門が姿を現す。
1589年、豊臣秀吉によって造営されたという楼門は、伏見稲荷大社の正門にあたる部分。屋根がついた大きな門で国の重要文化財に指定されている。
楼門で注目すべき箇所は阿吽(対)となった、稲荷神お使いの狐像。向かって左の狐の口には「鍵」、右の口には「宝珠」がくわえられている。
これには意味があるそうで、鍵は大切なものを収蔵する蔵の鍵、宝珠は稲荷神の霊徳の象徴を表しているのだとか。
そのほか、伏見稲荷大社が農耕の神や五穀豊穣の神として祭られていることから「稲穂」、知恵を象徴した「巻物」をくわえた狐像もあるという。
楼門の先は、外拝殿、本殿、内拝殿と続き、内拝殿にて参拝をしたら、いよいよ千本鳥居へ。
そもそもなぜこんなにも鳥居が立ち並んでいるのかというと、江戸時代以降、願い事が「通るように」或いは「通った」ことへのお礼に鳥居を奉納する習慣が広まったからとのこと。
となると、当然千本で収まるべくもなく、境内全域にすでに一万基はあるらしい。
たくさんの願いを叶えてきた証、縁起物とも言えよう。
本来ならば、大社奥の稲荷山の頂まで登っていきたいところだが、時間と体力が許さず、中腹の熊鷹社で折り返すことに。
こちらもパワースポットとして知られ、勝負事にご利益があるとか。ここぞという時には、向かいのお店でロウソクを買ってお供えするとよいらしい。
ロウソクの灯る様子はなかなか神秘的であったが、同時に提げられた稲穂に親しみも覚えた。店は、京阪の踏み切りを渡った先にあるのだが、駅に発着した電車をつい撮影してしまうのはママ鉄時代の名残か。ロッカーのデザインもかわいらしい。
店は案の定込み合っており、30分ほど外で待ち、確かきつねあんかけを注文したように思う。あまりに空腹で撮り忘れたのか写真がなく記憶は曖昧だが、とろみとしょうがでポカポカと温まり、とてもおいしかったことは書き添えておくとしよう。
ちなみに、裏参道の手前に「袮ざめ家(ねざめや)」という木造建築のお店があり、その古風なたたずまいが目を引き写真に収めていたのだが、どうやらうなぎやいなり寿司を供する老舗の食事処らしい。
豊臣秀吉の正室ねねの「ね」をもらって名付けられたとのこと、どうりで歴史を感じるわけだと後になって合点がいった。
帰省がらみのプチ関西旅。
短時間ながらピンポイントで楽しめた。
家族でおでかけできる今を、
これからも楽しみたいと思う。
☆☆☆
今日から7月!
祇園祭の季節到来!
京都の暑い夏をさらに熱く!