某トップブロガーが数年前に突如提唱しはじめた「捨てる育児」。
教育評論家にでもなったつもりだったのだろうか。
「頑張りすぎるママの心を軽く」だの
「クスッと笑えて気持ちを楽に」だの
「捨てられる部分は捨てていい」だの
もっともらしいことをこねくり回した、
悦に入った長文が綴られていたように記憶しているが、興味よりもまず嫌悪感が先立ち、
このあたりからもうブログを読んでも笑えなくなっていた。

ところが、当時はこのトンデモ育児法が大手出版社の女性向け雑誌のWeb版に連載されるほど、人気があったのだ。
今更読みたくもないのだが、正確な情報をと思い確認してみると、2020年の夏から約2年、全44回の連載であった。
え、そんなにニーズあったの…?

「叱らない育児」を「叱らなくていい育児」と間違った解釈をする親が一定数いるように、
「捨てる育児」を「捨ててもいい育児」と捉える人もいるのではないか。
むしろこの提唱者こそがそう思っているであろうことが日頃の記事から垣間見られるが故に、本当に不快な気持ちにさせられる。

自分が思い描く「良いお母さん」になれないからって、んなもん捨てちゃえばいいのよ!って「おおらかマザー」演じてるけど、
そもそも世の母は、そんな極端に育児捨てなくても楽しんで子育てしている人のほうが多いと思う。

もちろん、全力で子育てを楽しめる日ばかりではない。
仕事や家事、諸々の行事で忙しければ、ついあれこれ手抜きしたり、子供の話に生返事してしまうのも事実。
でも、別に義務感からでなく、子供に温かいご飯を用意してあげたいし、玄関先まで見送っていってらっしゃいって言いたいし、帰宅すれば今日の出来事を聞きたい。
そういう毎日の積み重ねが子供を正しい方向に導くものだと思っている。

捨てる育児?
育児放棄と何が違うの?
私にはその違いがわからない。