読書回です。

 

『六番目の小夜子』恩田陸 新潮文庫

1992年7月に新潮文庫のファンタジーノベル・シリーズの一冊として発表され、

その後大幅に加筆の上、98年8月に単行本として刊行されたものです。

 

読了しました。

 

この本はトラちゃんの学校で新学期の自己紹介代わりにビブリオバトルをするという催しがあり、

そこでトラちゃんの同級生が紹介した1冊です。

 

本書は学園もので、舞台となる学校は地区一二を争う進学校。

個性の強さと賢さは比例する、そんな現実がよく描かれていると思います。

 

トラちゃんの学校は県下トップの偏差値を誇る進学校です。

本書をビブリオバトルに持ってきた少年は気が利いていますね。

伝統校であることも本書の舞台となっている学校との共通点がありますね。

 

主人公は3年生。

トラちゃんは1年生。

ビブリオバトルが行われたのは1年生の新学期。

彼は何を想ってこの本を読んだことでしょう。

中学生時代に読んだのか、

それとも春休みにビブリオバトルのためにあつらえたのか。

いずれにしても賢い少年がこの本を手に取ること自体が、

わたしにとっては素敵なものがたりです。

 

だからわたしもこの本を読むことに決めたのでした。

 

物語の尺は一年間。

春から始まり春に終わる物語です。

学園ものの春はいつだって心が不安定になります。

喜びも不安も一緒くたでドラマチックですね。

 

 

 

恩田陸さんの相変わらず体力のある骨太な文章は、

安定感があって読みやすいです。

いつ読んでも、何を読んでも楽しいです。

 

そういえば百田尚樹さんも花村萬月さんも体力系のストーリーテラーで好きな作家さんです。

また今度読む機会があったら日記に記します。

わたし自身が楽しみです。

日記のよいところは自己完結している趣味であるところです。