将来、社会で求められるコミュニケーション能力や主体性、協調性、チャレンジ精神などを育むためには、子どもの頃からのさまざまな体験活動が大切だといわれています。 

「令和4年版 子供・若者白書」(こども家庭庁)では、子どもの健やかな育成についての考察があり、その中でも「生きる力」を育むうえで、自然体験、芸術・文化・科学に直接触れる体験的な活動は重要とされています。  

令和元年度の調査結果では、小学生における学校以外の自然体験活動への参加率は50%程度。

これは、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける直前であるため、コロナ禍以降、外で遊んだり、自然に触れたりする機会がさらに減少していることが推測できます。

また興味深いのは、自然体験が多い子の方が「自己肯定感が高い」(自分には自分らしさがある、今の自分が好きなど)という傾向が見られたことです。

同様に、自然体験が多い子ほど、自分のことは自分でする、ルールを守って行動するといった「自立的行動習慣が身についている」という結果も出ました。

■自然体験活動ってどんなもの?

みなさんは、自然体験というと、どのような活動をイメージしますか? 

文部科学省では、「自然の中で、自然を活用して行われる各種活動であり、具体的には、キャンプ、ハイキング、スキー、カヌーといった野外活動、動植物や星の観察といった自然・環境学習活動、自然物を使った工作や自然の中での音楽会といった文化・芸術活動などを含んだ総合的な活動」と定義しています。

「青少年の体験活動等に関する意識調査(令和元年度調査)」では、以下のような項目が挙げられています。

・海や川で泳ぐ
・夜空いっぱいに輝く星をゆっくり見る
・野鳥を見たり、鳴く声を聞いたりする
・チョウやトンボ、バッタなどの昆虫をつかまえる
・海や川で貝を採ったり、魚を釣ったりする
・太陽が昇るところや沈むところを見る
・キャンプをする
・大きな木に登る
・ロープウェイやリフトを使わずに高い山に登る

環境省のホームページ「探そう!全国の自然体験」では、全国の自然体験ができる施設を紹介しています。

もちろん、住んでいる地域の季節イベントや近隣の自然豊かな公園で遊ぶことなども、身近な自然体験といえるでしょう。

コロナをきっかけに、子どもたち周辺のICT化が加速する今だからこそ、自然の中での実体験を見直してみてはいかがでしょうか。

●探そう!全国の自然体験(環境省)
https://www.env.go.jp/kids/gokan/experience/index.html