今回も昨日に続いて1960年代から80年代にかけて、世界中で数多くリリースされた各国独自のビートルズのシングルの話です。1982年にアメリカ、キャピトル・レコードで企画された、ビートルズ映画に使われた曲をメドレーに編集したシングル『Beatles Movie Medley / I’m Happy Just to Dance With You』の話の続きです。
昨日ご紹介した『Stars on 45』の世界的なヒットにより、EMI/キャピトルではビートルズの本物の音源を使ってこれを再現してみようと思ったのでしょう。ジョージ・マーティンも大きな興味をそそられたようで、非常に気合の入った良い仕事をしています。まずは聴いていただきましょうか。
(「Beatles Movie Medley」)
聴いていただいた通り、ここ使われた曲は「Magical Mystery Tour」「All You Need Is Love」「You’ve Got To Hide Your Love Away」「I Should Have Known Better」「A Hard Day’s Night」「Ticket To Ride」「Get Back」の7曲です。
この曲順がこのメドレーの成功の大きな鍵となっています。
まず一曲目の「Magical Mystery Tour」はEメジャー(ホ長調)で始まり、Dメジャー(ニ長調)で終わるのですが、二曲目の「All You Need Is Love」はGメジャー(ト長調)ですので、DからGの流れは相性も抜群です。そしてその後の「A Hard Day’s Night」まで4曲、Gメジャー(ト長調)の曲が並びますので、繋ぎ所を見極めれば、相性は非常に良いのです。
そして「Ticket To Ride」「Get Back」とAメジャー(イ長調)の曲が続きますが、GからAへの転調は、1音上がるだけですので、転調方法としては曲を盛り上げる定番的な手法です。この組み合わせの順番こそ、このメドレーの成功の秘密だったのです。
繋ぎ部分の工夫もよく出来ています。特に「A Hard Day’s Night」から「Ticket To Ride」への転換部、そして「Ticket To Ride」から「Get Back」への転換部は更にすばらしいですね。
それにしても、ここで気付くことはビートルズにはGメジャーの楽曲が多いということ。これは、ビートルズのコピーバンドをやっている人なら気付いていると思いますが、特に初期の曲には非常にGメジャーが多いんです。例えばシングルになった曲でも、「Love Me Do」「She Loves You」「I Want To Hold Your Hand」「I Feel Fine」「Paperback Writer」「Yellow Submarine」「All You Need Is Love」、という具合に彼らのオリジナル・シングル22曲中7曲までもがGメジャーです。(その他のシングルは、Cメジャーが6曲、Aメジャーが5曲、Eメジャーが3曲、Fメジャーが1曲という内容でした。)
このメドレーがこれらのことを思い起こしてくれました。
ビートルズ関連の話はまた別の日に!