ジェイムス・テイラーのデビュー前のアルバム(その2) | John's BOOROCKSブログ-I Love The Beatles, Fender Guitars & Movies!

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アメリカのシンガーソングライターの重鎮としてお馴染みのジェイムス・テイラー。彼がビートルズのアップル・レコードから1968年にデビューする以前の音源を、昨日に続いて紹介します。

このアルバムは、元々作品として残すためのレコーディングというよりも、自分たちを売り込みためのプロモーション用デモ・テープとしての色合いが強いようです。収録された曲は次の通り。
『James Taylor and The Original Flying Machine』
Side A
(1) Night Owl (James Taylor)
(2) Brighten Your Night With My Day (James Taylor)
(3) Kootch’s Song (Danny Korchmar)
(4) Knocking ‘Round Zoo (James Taylor) Vocal; Danny Kooch
Side B
(1) Rainy Day Man (James Taylor)
(2) Knocking ‘Round Zoo (James Taylor) Vocal; James
(3) Something’s Wrong (James Taylor)


(その音源がYouTubeにアップされていました)

デモ・テープとしても非常に完成度が高い作品であり、弱冠19歳ジェイムスが、いかに早熟なアーティストだったかをお判りいただけると思います。面白いことに、一曲だけダニー・クーチの作った曲が入っていますが(ボーカルはジャイムス)、その完成度もまた驚きです。特にこの録音がなされた1967年の時点で、これだけモダンな曲作りをしていた彼らの実力は特筆すべきものがありますね。また2ヴァージョン入っている「Knocking ‘Round Zoo」では、ダニーとジャイムスのボーカルがそれぞれ楽しめます。

通して聴くとお判りのように、彼らはR&B風のサウンドを目指していましたが、そのリズム感覚は16ビートが身に付いていることがうかがえ、1960年代後半のニューヨークのアンダーグラウンド・シーンが垣間見えるようで非常に興味深いものがありますね。
このアルバムの最後に収録されている『Something’s Wrong』は、ボーカルがまだ入っていないバック・トラックのみだったのがとても残念です。

これを聴いていたら、またジャイムスのアップルでのデビュー・アルバムを聴きたくなっていまいました。デビュー作は、ストリングスやコールアングレ(イングリッシュホルン)、オーボエなどのアレンジにややオーバープロデュース気味な部分も見られますが、20歳のジェイムスの瑞々しい感性を表現した美しいメロディと、彼の見事なアコースティック・ギターのプレイが聴き所です。


(アップルでのデビュー作『James Taylor』)

また別の機会にアップル・レコードについて書こうと思います。