ビートルズ。シングル盤私的雑感(その81)/『ロング・アンド・ワインディング・ロード』(2) | John's BOOROCKSブログ-I Love The Beatles, Fender Guitars & Movies!

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昨日に続いて、1960年代から70年代にかけて、世界各国で数多くリリースされた独自のシングルの話です。今回もアメリカで企画されたシングル「The Long And Winding Road / For You Blue」の話です。


(日本盤シングル「The Long And Winding Road / For You Blue」)

昨日はこの曲を巡ってのビートルズ内部の対立の話をしましたが、今日はこの曲の成り立ちの話です。
ポールの作った名バラード・ナンバーの中でも格別に異彩を放っているのがこの「The Long And Winding Road」です。ポールがどこからどのようにこのメロディを思いついたのか、非常に不思議な曲です。そのヒントとなる事象がありました。ポールは当初この曲を、バラードを得意としている歌手に贈ろうと考えていたようです。彼が声を掛けたのが、トム・ジョーンズ、シラ・ブラックなどですが、これらから思いつく事、恐らくポールはスタンダード・ナンバーを目指してこの曲を作ろうとしたのでしょう。

実際にこの曲は非常に多くのカヴァー・ヴァージョンを生み出していますが、2002年にはイギリスのオーディション番組からデビューしたデュオ、ウィル・ヤング&ガレス・ゲイツがこの曲をカヴァーして全英チャートでNo.1を獲得しています。そういった意味では、ポールの思惑の通りにこの曲がスタンダード・ナンバーとして認められたと言えましょう。

この曲のレコーディングが行われたのは、『Get Back Session』の最終日、あのルーフトップ・ライヴの翌日の1969年1月31日のことでした。この時に2テイク録られたのですが、レコード化された音源は映画のテイクとは別のテイクでした。しかし後にアルバム『Let It Be Naked』に収録されたテイクは映画と同じものが使用されています。
ところが、1970年代に出回ったブートレッグには市販レコード(CD)と同音源ながら、オーケストラの入る前のオリジナル・ヴァージョンが収録されていました。その音源が出回った経緯は、このブログで以前ご紹介しましたが(その記事にご興味のある方はコチラ)、かいつまんでお話しすると、1969年にアップルの経営担当として呼ばれたアレン・クラインが、アルバム『Let It Be』となる前の企画であった、アルバム『Get Back』(多重録音を排して、生のビートルズを聞かせるというコンセプトのアルバム)の編集が終った段階で、ビートルズ側の承認を得ないまま先走ってプロモーション盤を製作し、アメリカの放送局に配布したのです。そのプロモディスクを音源としたブートレッグが出回ったと言う訳です。
そのブートには、オーケストラを入れる前の「The Long And Winding Road」が収録されていましたが、『Let It Be Naked』とは別テイクで、間奏部のビリー・プレストンによるオルガンは入っておらず、代わりにポールが歌詞を語りで入れていました。これは後に『The Beatles Anthology 3』に収録されました。

この続きはまた明日に。