ビートルズ、シングル盤、私的雑感(その44)Strawberry Fields Forever3 | John's BOOROCKSブログ-I Love The Beatles, Fender Guitars & Movies!

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昨日続いて、今日もまたビートルズのシングルについての勝手気ままな話です。今回も、14枚目のシングル「Strawberry Fields Forever / Penny Lane」の話の続きです。昨日のブログで「Strawberry Fields Forever」のレコーディングに関する疑問点を掲載させていただきましたが、今日はその補足説明です。(とてもマニアックな話ですので、ご容赦を!)

実はこの項を書くに当たって「Strawberry Fields Forever」のレコーディングに関して色々調べたのですが、文献それぞれに異なった言い分が山ほど有り、まずはそれらを横に置いておき、実際の音からの検証を試みたのです。

ジョージ・マーティンの発言によると二つのヴァージョンは半音差だったということ。恐らくBbとBということだと思いますが、実はこれも疑ってみました。まず『The Beatles Anthology 2』に収録されている「Strawberry Fields」のTake7を実際に確認してみると、キーはA(イ長調)とBフラット(変ロ長調)の間で、ほぼA(イ長調)というキーで演奏されています。一方、完成ヴァージョンでは、オープニングはほぼ同じA(イ長調)のキーで始まり、60秒後までにはBフラット(変ロ長調)にキーが上がっています。そしてここからTake26(オーケストラ入りテイク)に繋がっています。
こうして検証の結果、Take7のオリジナル・キーはA(イ長調)でほぼ間違いないだろうと判りました。しかし宅録をされる方であればお判りいただけると思いますが、テープ・スピードを半音分も上げた場合、声質がもう少しキンキンしたものになるはずです。ところが、実際の完成ヴァージョンはそうなっていない。やはり半音上げることを想定してボーカルを入れ直していると結論せざるを得ません。

もっと疑問に思ったのは、オーケストラ入りのTake26です。ジョージ・マーティンの発言「両者のテイクには半音の差があった」が事実とすると、TAKE26のオリジナル・キーはBフラットでなければならないはずです。実際の完成ヴァージョンで確認すると、Take7の60秒後につなげられたTake26のキーは確かにBフラット(変ロ長調)でした。しかし、ジョンの声質は明らかに回転を落としていることがハッキリと判るものとなっています。この時点でマーティンの記憶は間違いだったと判ります。ではTake26のオリジナル・キーは何だったのか。

Take26のオリジナル・キーを検証する時、オフィシャルでこのテイク単独では発表されていません。そこで以前リリースされていたブート『Ultra Rare Trax Vol.1』他で確認すると、すべてがC(ハ長調)になっています。
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(ブート『Ultra Rare Trax Vol.1』)
ではB(ロ長調)のキーは有り得たのかどうかということですが、個人的にはまずこれは有り得ないと思います。と言うのも管楽器の入ったオーケストラ・アレンジの場合は、Bのキーはあまり使いません。何故ならば、トランペットなどの管楽器の多くはBフラットのキー(あるいはEフラット)で作られているため、Bのキーの曲は非常に演奏し難いという欠点が有るからです。それを考えるとレコーディングはやはりC(ハ長調)で行われたのではないかと思います。
これらの検証から、やはりこのキーの異なる二つのテイクをつなげるために、ボーカルの声質を整えるための入れ直し作業を行っていると結論付けました。
今日は、本当にマニアックな話ですみませんでした。

この続きはまた明日に。明日は「Penny Lane」のお話です。