宇多田ヒカルという新人歌手のデビュー時のことを思い出しました。残念ながら直接お会いしたことはありませんが、幸いにも私はデビュー前にそのデビュー・アルバムの音源を聞く機会を得ていました。
当時私は楽器とCDを販売する会社の営業本部で宣伝を担当していました。そのためレコード・メーカーからの新しい情報を、逸早く入手することができたのですが、その中の一つに「宇多田ヒカル」という16歳の新人歌手のカセット・テープがありました。ファースト・アルバム『First Love』でした。

(デビュー作『First Love』)
このカセットを聞いた時には、まだ藤圭子の娘だというアナウンスメントはありませんでした。一曲目の「Automatic」を聞いた時に、まず本当に16歳なのか、と驚かされました。そして3曲目「First Love」を聞いた時には、大きな衝撃を受けたものでした。思わず「これ、洋楽じゃん」とつぶやいてしまったほどでした。メロディ・ラインもこれまでの、ニュー・ミュージックと言われた日本のポップスにはなかった、アメリカナイズされたものであり、英語の発音もネイティヴ、歌声も歌の技術も良い、リズムもしっかりしている、こんな少女が日本からも出てくるようになったんだ、と本当に驚かされました。それ以来、彼女のCDはほぼすべて入手しています。
一昨日には、2006年に行われた宇多田ヒカルさんのツアーを収めたDVDを観ていました。ライヴ映像での彼女の歌声は、テンションが上がっているためかCDで聞くよりも太く、技術的にも上達していることが窺われました。
今、大変な難局を迎えていることでしょうが、これを乗り越えて、さらに大きくなった宇多田ヒカルを私たちファンはひたすらお待ちしています。ヒカルさん、どうぞご自愛下さい。