最近読んだ本/『おやすみラフマニノフ』 | John's BOOROCKSブログ-I Love The Beatles, Fender Guitars & Movies!

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中山七里・著『おやすみラフマニノフ』宝島社文庫刊
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『さよならドビュッシー』に続く、岬洋介シリーズの一冊。作者の中山七里さんは、クラシック音楽に関する造詣が非常に深いようで、作曲家、楽曲は言うに及ばず、楽器や演奏場面の情景描写に至るまで、詳細を窮めておられます。前回の『さよならドビュッシー』でも思ったことですが、音楽に焦点を当てた小説で、ここまで掘り下げて書かれたものは、そう数が多くはありません。しかも、今作『おやすみラフマニノフ』のように音大生達の現状を、深い理解のもとに正確に描いた小説は、それほど見たことがないと思っています。しかもそれが、ミステリーであることにより大きな驚きを覚えます。この中山七里さんって一体何者・・?

と、まあそれはさておき、この小説を手に取ったのは、私も音楽に関わる仕事をしてきた身ですので、多少なりとも音楽に興味を持っているからなのですが、ロック同様に、ジャズ、クラシックも高校時代から聴いていたため、現在でもジャンルに捕われることなく、音楽全般を好んでいます。クラシックの中では、特にドビュッシーのピアノ曲が好きなのですが、ラフマニノフのピアノ協奏曲二番も大好きなのです。この美しいメロディを、ポップ界にも愛好家が居て、伝説のラズベリーズのボーカリスト、エリック・カルメンがこの曲を溺愛しているようで、この曲の第二楽章のモチーフを使って「All By Myself」という名曲をものにしています。そんなこともあり、今でもたまにこのラフマニノフのピアノ協奏曲二番は愛聴しております。この小説では、この曲がフィーチャーされています。

この作品は、前作『さよならドビュッシー』ともリンクした部分もあり、登場人物も一部共通しています。また、やはり前作同様に人間模様を十二分に織り込んだストーリー展開となっており、やはり最後の最後に驚愕の真実が、岬の手によって明らかにされるのです。

この中山七里さんの小説は『さよならドビュッシー』同様に、人間模様を描いた秀逸なストーリーを持っていますが、やはりミステリーなのだと再確認させてくれる、新しいスタイルの作品です。次の作品が、楽しみですね。