『大奥—永遠—右衛門佐・綱吉篇』

この男女逆転の大奥もおそらくこれで最後でしょう。実際には、TVシリーズで主題にしていた、三代将軍家光の時代が最も面白い話になったであろうに、映画で五代の綱吉の時代を描くのはどんなものか、と思って観にいってきました。というのも、家光の時期はまだ戦国の風潮が残されており、幕府の全国統治もまだ未完だった時代です。将軍の不在がどう政治に影響するか、という見地から面白い話が作れるだろうと思ったのですが・・・。
さて、それでこの映画は・・これが意外と面白かったのです。以前の二宮君のものよりもこちらの方が好きですね。配役は相変わらず豪華で、主演の堺雅人、菅野美穂のほかに西田敏行、要潤、尾野真知子、宮藤官九郎、市毛良枝、榎本孝明、などなど錚々たる顔ぶれ。しかし、今回は如何に凄い俳優が脇に居ても、主演の二人の頑張りで成り立っていた作品でした。荒唐無稽と笑うなかれ!エンタテイメントに徹した作品で、まずまず楽しませてもらいました。
『フランケン・ウィニー』

ティム・バートンが、監督としてデビューする前から作りたかった作品だそうな。登場するキャラクターのチョイ不気味さが、彼の代表作の一つ「ナイトメア・ビフォー・クリスマス」に通じるものがあります。
それにしてもティム・バートンの、ホラー映画に対するリスペクトは相当なもののようで、そこかしこに古典的ホラー作品のパロディが詰め込まれていました。私自身、現在のスプラッターに終始する様なホラーはあまり興味がないのですが、古典的なホラー、例えば『フランケンシュタイン』『アマゾンの半魚人』『吸血鬼ドラキュラ』などなど、後の『マタンゴ』『美女と液体人間』などの東宝特撮ものに通ずるものがあり大好物です。
主人公の少年が、失った愛犬に対する彼の深い愛情から、蘇生させることを思いつき、これに成功するのですが、バートンはその話に古典ホラーのエッセンスをちりばめて素敵なストーリーを作り上げました。
その古典ホラーの中に、ガメラまで入っていたとは驚きで、しかもそのガメラを登場させるのが日系人に少年という念の入りようです。(しかも一瞬だけ日本語のセリフまで出てきます。)バートンの想い入れがよく見えて、私としては微笑ましく見せてもらいました。