ビートルズの最高傑作アルバムはどれ?(その3) | John's BOOROCKSブログ-I Love The Beatles, Fender Guitars & Movies!

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ハンドメイド・エフェクター・ブランドBOOROCKS(ブロックス)のスタッフによる、音楽(BEATLES & Fender)と映画の気ままなブログ。

私の独断と偏見に満ちた判断で、ビートルズのアルバムの変遷、すなわち音楽性の成長を追ってみる試みの第三回目です。昨日まで、ビートルズ初期の3枚のアルバム、すなわちロックンロール期のビートルズのお話をしました。今日は4枚目のアルバム『Beatles For Sale』の話です。今日も、よろしかったらお付き合いを!

『Beatles For Sale』のレコーディングが始まったのは、1964年10月からでした。この’64年という年は、ビートルズが世界に大きく飛翔を遂げ、アメリカをはじめとした世界各国で認知され、真の意味で世界のビートルズとなった記念すべき年です。この年の夏、ビートルズは初めて大規模な全米ツアーを行っています。8月19日から9月20日まで、一ヶ月に及ぶ長丁場で、全米26カ所でコンサートを開催するというハードなスケジュールでした。このアメリカでの体験が、まだ20代前半であった彼らに影響を与えない訳はありません。もちろん音楽面においても大きな影響を受けていました。それが顕著に表現されたのが、この『Beatles For Sale』でした。
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このアルバムのオープニング・ナンバーである「No Reply」に、まずアメリカの影響を見て取ることができます。まずは下の楽譜をご覧下さい。
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このリズムは、「No Reply」で、リンゴが叩いているスネア・ドラムのリズムです。実はこれ、ボサノバのリズムそのものなのです。1950年代後半にブラジルで誕生したボサノバは1961年、ジャズ・サキソフォン奏者、スタン・ゲッツによってアメリカに持ち込まれ、1963年にリリースしたアルバム『ゲッツ/ジルベルト』の大ヒットによって、アメリカでも定着しました。特にこのアルバムから生まれたヒット曲「イパネマの娘」は、現在ではスタンダード・ナンバーとなり、歌っていたアストラッド・ジルベルトはボサノバの女王として認知されるに至りました。そんな最新のリズムであったボサノバを、ビートルズが取入れているのです。
しかしボサノバ・ファン側から言わせると「ビートルズがボサノバを殺した」と言われているのです。ビートルズが1964年にアメリカを席巻しなければ、ボサノバはアメリカを制覇していたという言い分だと思われますが、まあ少々これには無理がありますね。また、「I’m A Loser」では、アコースティック・ギターとホルダーに挟んだハーモニカというスタイル、そうまさにボブ・ディランです。このツアーでビートルズは、ディランとも親交を深めていたのです。ディランとの出逢いは、特にジョンに大きな影響を与えています。さらに、ジョージが1963年末から数多く入手したGretsch(グレッチ)のギターの影響もあり、カントリー・テイストのギター・ソロが多くなっています。
しかしビートルズがこういった新しい音楽まで、すぐに取入れていたことは本当に驚くべきことですが、64年のアメリカでの経験が大きく影響している事は想像に難くありません。ビートルズは、ロックンロールから独自の音楽を追究する過渡期に差し掛かっていたのでした。このアルバム以降、ビートルズはロックンロールに限らず、あらゆる音楽の要素を自分のものとして、上手く取り込んで行く事になります。
この続きはまた後日。