しかしここに疑問がもう一つ湧き出てきます。
このフォト・セッションは、マージー・ビート誌に掲載するために仕組まれたイベントだという話があるのです。事実、マージ-・ビート誌の10月4日付号には、まさにジョンとジョージに手渡される瞬間が掲載されていました。また、写真家のピーター・ケイを、始めから手配して手渡しの一部始終を撮影させていたことでも裏打ちされます。
これらの証拠から導き出される答えは明快です。エプスタインの仕組んだ仕掛けであることは間違いないでしょう。

(記事が掲載されたMersey Beat紙)
つまり、こうです。
エプスタインは、ビートルズのデビューを祝ってジョンにプレゼントをしようと考えます。(エプスタインはゲイであり、ジョンに惚れ抜いていたことは有名。ジョージへは、あくまでもついで。)そこで昔からの知り合いであるジェイムズに話を持ちかけ、ビートルズへのギター提供を条件に、マージー・ビート誌への準宣伝写真掲載、およびビートルズの写真の自由使用の許諾というアドヴァンテージを与えたのだろうと思われます。
ジェイムズは、ビートルズが何者かを知らなかったそうですが、彼らが英国最大のレコード・メーカーであるEMIと正式契約を結んだ初めてのリヴァプールのバンドであるという事実は、大きく物を言ったはずです。
その結果、ラッシュワース・ミュージック・ハウスは、ビートルズのジョンとジョージにギターをプレゼントした店として世界的に有名な名所となったのでした。
次回はラッシュワースから贈られたギブソンJ-160Eそのものについて検証してみましょう。掲載は明後日の予定です。