戦禍のシリアにて。保護施設「猫の家」で子犬の面倒を見る母猫が発見された
内戦の続く中東の国、シリア。人間でさえ戦禍から逃れ、国を立て直すのに必死なこの国で、猫たちの保護に情熱を傾けている男性がいる。そこで保護された身重の猫が、子犬の世話をする様子を撮影した動画が公開されていたので、みんなにもぜひ見てほしいんだ。
1匹の猫が、ちっちゃいのをくわえて歩いているよ。子猫かな?
と思ったら、子猫ではなく子犬だった!
安全な隅っこに連れて行って、そっと子犬を下ろす猫。
この動画が撮影されたのは、シリアのアレッポにある「猫の家」。地元に住むモハンマド・アラー・アルジャリールさんによって運営されている、猫たちの保護施設なんだ。
モハンマドさんはもともとは救急車の運転手をしていて、砲撃にさらされたアレッポの街で命を救うために走り回っていた。それはまさに命がけの仕事だったけれど、その合間に人間以外の、傷ついた生き物たちにも手を差し伸べるようになったんだ。
やがてモハンマドさんの活動は、インターネットを通じて世界中からサポートを受けるようになっていった。
一時は170匹の猫がこの猫の家に保護されていたのだが、あるとき爆撃を受けて施設は崩壊。多くの猫たちの命も失われた。現在は別の場所に施設を再建しているが、その間にモハンマドさんは奥さんや子供たちとの別居を余儀なくされたという。
まだまだ国情の安定しないシリアだけれど、子供たちの笑顔を見ると救われるね。
モハンマドさんは猫や犬だけでなく、爆撃や戦闘で親や配偶者を失った子供たちや未亡人にも、救いの手を差し伸べている。彼の活動に対しては、アラブ諸国とは微妙な関係にあるイスラエルからも援助が送られているそうだよ。
猫たちと戯れるモハンマドさん。
edited by ruichan