2017年1月14日、スペイン南部の小さな町の市場を訪れていたリアン・パウエルは、前足1本が折れたまま、ぼろぼろの状態でさまよい歩くグレイハウンドを発見した。
放っておけないと直感したリアンは、すぐさま近所の動物病院に連れていき手当を受けさせた。
その犬は、産後間もない母犬であることが判明。子犬たちの身を案じたリアンと獣医は、その居場所を探ろうと、治療を終えた母犬を発見場所に戻した。するとどうだろう。母犬は二人を導くように長い道案内を開始し、小さな宝物のもとに導いた。
出会って間もない人間にすべてを託すと決断し、子どもたちのもとに導いた母犬のニュースは大勢の人々の心を震わせた。
骨折し、栄養失調状態で町をさまよっていたグレイハウンド
もしかしたらこの犬は、誰かに救いを求めていたのかもしれない。ひどくやせ細り、前足片方が折れた状態で、市場をさまよっていた犬は、犬好きな女性、リアン・パウエルの目にとまった。リアンはすぐさま近くの動物病院に連れていった。
犬を担当した獣医のエレン・ソブリーによると、その骨折は最近のもので、車にはねられた可能性もあるという。他に外傷は無かった。
image credit:Mercury Press
また、犬には1週間ほど前に出産した跡があり、母乳を出ていた。エレンは折れた足にギブスを装着し、リアンに付近に子犬たちがいたかどうかを確認した。
だがリアンが見た時には彼女は1匹だった。
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もしかしたら近くに子犬がいたのかもしれない。
栄養失調状態で足が不自由なまま育児をしていた母犬の生んだ子犬たちが心配になったリアンとエレンは、犬に長いリーシュをつけてさっきの市場に戻り、彼女の行き先を見守った。
母犬のリーシュを持つエレン
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母犬だった彼女の行く先を追跡する2人
すると母犬は2人を導くように、ギブスの足を引きずりながら歩き出し、畑を過ぎて裏通りや大きな通り沿いを進んで行く。
長い道のりをたどりながら、2人は彼女が単に新しい居場所を探しているだけなのかも、と思い始めた。
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なにしろ2人はその犬と知り合ってからまだ1時間しか経っていない。子犬がいたとしてもそこに連れて行くかどうかは彼女の判断に頼らざるを得ないのだ。
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だが3kmほど歩いた頃、母犬は厚い垣根の下にある細い泥だらけの道に向かい、廃屋の庭を横切り、そこに放置されていた廃車にたどり着いた。そして壊れたドアの間から助手席に移り、2人に視線を送った。
と同時に、2人は彼女の後ろのボロボロになった座席のところに、生まれて間もない子犬が何匹もいることに気づいた。
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この母犬は本当に赤ちゃんの場所を教えてくれたんだ!すぐに中を見てみると、子犬たちは全部で10匹。赤ちゃんらしく健康そうにぽっちゃりしており、とても愛らしかった。
エレン医師の病院のFacebookに投稿されていた発見時の様子
クリックしますとFacebookの動画観れます↓
2人は、知り合ってわずか1時間しか経ってなかった自分たちを頼りにし、骨折した足を運びつつ大切なわが子の場所を教えた母犬の行動に驚き感動し、涙が止まらなかった。
子犬たちを保護するリアンと母犬
そして犬たち全員が保護され、母犬はベラと名付けられた。
リアンとエレンが暮らす南スペインには"ガルゴス"と呼ばれる放棄されたグレイハウンド(関連記事)が多数いることで有名だ。彼らは良い猟犬を得るために行われる大量飼育の果てに捨てられた犬たちなのだ。
犬を狩猟に使うハンターは、狩りの時期ごとに犬たちを買い替える。エレンによると、多くの飼い主がシーズンになると新たな犬を購入し、オフシーズンに彼らを捨てることで知られており、とりわけ冬は最悪の季節になるという。
しかし一方で、リアンはこうした繁殖と放棄で物議をかもす人々はごく少数しかおらず、スペイン人を代表するような数ではないとも語っている。
なお、ベラもこうしたハンターに飼われ、捨てられた犬だった可能性が高いという。また骨折に関しては折れた跡がきれいなことと、他に外傷が無いことから誰かに蹴られたという説もあるが原因は不明のままだ。
保護施設にいるベラ。ずっと健康そうになったぞ
生まれたばかりの子どもを抱えたまま、傷ついた前足で町をさまよっていたベラ。自分を見つけて手当てしてくれた2人に会った時、彼女は藁にもすがる思いで自分たちに手を差し伸べてくれる誰かを探していたのかもしれない。
子どもたちも元気
おだやかな顔でくつろぐベラ
現在ベラと子犬たちはエレンが携わっている近隣の非営利団体の保護施設に保護されている。今後は体調が良くなり次第、彼女たちの里親探しを始める予定だという。
via:boredpanda、dailymail・translated D/ edited by parumo
子犬たちを保護するリアンと母犬
image credit:Mercury Press
そして犬たち全員が保護され、母犬はベラと名付けられた。
使い捨てにされる猟犬たち
リアンとエレンが暮らす南スペインには"ガルゴス"と呼ばれる放棄されたグレイハウンド(関連記事)が多数いることで有名だ。彼らは良い猟犬を得るために行われる大量飼育の果てに捨てられた犬たちなのだ。
犬を狩猟に使うハンターは、狩りの時期ごとに犬たちを買い替える。エレンによると、多くの飼い主がシーズンになると新たな犬を購入し、オフシーズンに彼らを捨てることで知られており、とりわけ冬は最悪の季節になるという。
しかし一方で、リアンはこうした繁殖と放棄で物議をかもす人々はごく少数しかおらず、スペイン人を代表するような数ではないとも語っている。
なお、ベラもこうしたハンターに飼われ、捨てられた犬だった可能性が高いという。また骨折に関しては折れた跡がきれいなことと、他に外傷が無いことから誰かに蹴られたという説もあるが原因は不明のままだ。
保護施設にいるベラ。ずっと健康そうになったぞ
image credit:Ibizan Hound Rescue/Facebook
生まれたばかりの子どもを抱えたまま、傷ついた前足で町をさまよっていたベラ。自分を見つけて手当てしてくれた2人に会った時、彼女は藁にもすがる思いで自分たちに手を差し伸べてくれる誰かを探していたのかもしれない。
子どもたちも元気
image credit:Ibizan Hound Rescue/Facebook
おだやかな顔でくつろぐベラ
image credit:Ibizan Hound Rescue/Facebook
現在ベラと子犬たちはエレンが携わっている近隣の非営利団体の保護施設に保護されている。今後は体調が良くなり次第、彼女たちの里親探しを始める予定だという。
via:boredpanda、dailymail・translated D/ edited by parumo