交通事故で植物状態になった少年がセラピー犬によって奇跡的に回復!「ケーレブの物語」
交通事故に巻き込まれ植物状態になった少年
ユタ州ハンツビルに住むケーレブ君は、正面衝突の交通事故に巻き込まれました。ケーレブ君は全身骨折と外傷性脳損傷(TBI)の重体でした。
なんとか命はとり止めることができましたが、植物状態となってしまい、その後、意識が回復するも、ケーレブ君は意思を持たない状態が続いていました。
医師は、ケーレブ君が元の状態に戻れる可能性は非常に薄いと宣告しました。
全身骨折と外傷性脳損傷で重体のケーレブ君
セラピー犬との出会いで奇跡が起きた
ケーレブ君のリハビリの1つとして、セラピー犬として訓練されたゴールデンレトリバーの‘カーネル‘が連れて来られました。
するとどうでしょう!それまで感情もエネルギーも失っていたケーレブ君が、カーネルと一緒にいることで明らかに元気を取り戻し始めたのです。
着実な変化がケーレブ君に生まれ始めたました。これまで何をやっても効果がなかったケーレブ君が、カーネルとの触れ合いによってどんどん回復し始めたのです。
ケーレブ君とセラピー犬の最初の出会い
回復するには、何かきっかけとなる動機が必要
作業療法士のリサ・バーンズさんは「ケーレブのような重篤に陥った子供たちは、体と同じように心も深く傷ついています。そんな子供たちの機動性を回復させるには、何かきっかけとなる動機が必要なのです。ケーレブの場合は、そのきっかけがカーネルというセラピー犬であり、ケーレブ君に”カーネルともっと一緒に遊びたい、触れ合いたい”と強く願う気持ちがきっと芽生えたのだと思います。」という。
セラピー犬のカーネルに興味を示すケーレブ君
信じられないほどの回復ぶり
カーネルとの約1か月に渡るリハビリによって、ケーレブ君に奇跡が何度も起きました。なんと、ケーレブ君の意思が戻ったのです。更に、支えがまだ必要ですが、ケーレブ君は歩けるようになりました。
カーネルと関わることで、信じられないスピードでケーレブ君はどんどん回復していったのです。
歩けるまでに回復した
植物状態から回復するまでの奇跡の記録(動画)
https://youtu.be/qe87cNLQCqA
出典 YouTube
ケーレブ君の奇跡の回復ぶりが記録されています。
会話できるまでに回復
ケーレブ君は、「カーネルは僕のことが好きだと思うよ!」と言って周囲を笑わせるまでに回復しました。
ケーレブ君には、まだまだリハビリが必要ですが、もう大丈夫なようですね!
カーネルの事が大好きになったケーレブ君
最後に
『医者にも治せないことを、犬はアッと言う間にやってのけることがある』と誰かが言っていましたが。。本当ですね!
もしも、ケーレブ君がセラピー犬のカーネルと出会っていなかったら。。ここまで回復することはなかったのかもしれません。
このように動物は時として、解明できない不思議はパワーを発揮することがあります。特に犬は人間のベストパートナーになれる動物です。
日本も医療分野などで、セラピー犬についてもっと検討され活用されることを願います。
この記事を書いたユーザー
現在、米国籍。(元日本人)アメリカ生活30年を経て、日本に外国人登録をして家族とともに移住。ニューヨークでシングルマザー、会社経営、再婚、日本で末期がん&アルツハイマー認知症の父の介護生活を経験。
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国内に2頭だけ!病気の子ども達に寄り添ってくれる『ファシリティドッグ』知ってますか?
皆さんは『ファシリティドッグ』という犬をご存知ですか?国内にたった2頭しか居ない、医療現場で活躍する特別な役割を持った犬たちです。
盲導犬や警察犬を知っているという方は多いと思いますが『ファシリティドッグ』はあまり、知られていません。初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか。医療現場で、どんな活躍をしているのか?今回は、『ファシリティドッグ』についてご紹介させていただきます。
『小児がん』年間2000~2500人の子ども達が小児がんの診断を受け、辛い闘病生活を送っています。10000人に1人と言われるこの『小児がん』医療の進歩により、早期発見で治りつつある病気とはいえ、子どもの病死順位の第1位を占めていることをご存知でしょうか。
『小児がん』と一言で言ってもその症状は、白血病、脳腫瘍、神経芽腫(しんけいがしゅ)、悪性リンパ腫等々と様々。大人でも根を上げる過酷な闘病生活。子ども達が、抱えるストレスや不安は計り知れません。日本の医療は世界水準から見ても高度であり、優れた技術を持っていると高く評価されています。しかし、心理社会的サポートに対しては、残念なことに充実しているとは言い難い状況にあります。
そんな中、小児がんや重い病気を患い、長期に渡る入院生活を余儀なくされる子どもたちと、その家族の心のケアのための活動を行う、認定NPO法人「シャイン・オン!キッズ」が実施している日本初の「ファシリティドッグ・プログラム」が注目を集めています。シャイン・オン!キッズは、小児がんや重い病気と闘っている子どもたちの「心のケア」のための活動を行う認定NPO法人です。東京に20年以上住んでいた外国人夫妻が2006年に日本で設立しました。
東京に住んでいた外国人夫妻マーク・フェリスさんと、キンバリー・フォーサイス・フェリスさんが息子のタイラー君を記念して2006年に設立しました。
つらい闘病生活でも笑顔を絶やさなかった息子の勇気、そして、親として自分たちが日本の入院治療生活で経験したことがきっと役に立つにちがいない、自分たちのように苦しみを背負っている日本の小児がん患者の子どもたちとその家族のためにポジティブな何かを作り出せるはずだ、という想いが発端でした。
タイラーくんは、小さな体で一生懸命頑張った強く元気な男の子、残念ながら2歳を迎える目前で亡くなりました。しかし、その勇気と経験が、病気や入院に伴う子どもたちや家族のストレスなどを軽減することを目的とした「心理社会的介入」プログラムに繋がりました。「ファシリティドッグ・プログラム」もその内のひとつです。
ファシリティドッグとは?
ファシリティドッグとは、ストレスを抱えた人々に愛情と安らぎを与えるよう専門的に訓練された犬です。ファシリティドッグの主な仕事は、知らない人に自分の体を触ってもらい、それを楽しんでもらうことです。特に子どもは動物を抱きしめることが大好きで、このスキンシップには子ども達のストレスを減らし元気づける効果があることが、研究により明らかにされています。
「患者を癒やす」という点では同じ『セラピードッグ』という犬たちがいます。セラピードッグたちは、病院だけでなく様々な施設を訪問し、多くの人々を癒してくれます。
これに対し、ファシリティドッグの訪問先は固定しており、毎日同じ病院に通います。
また、引率するハンドラーが、看護師や臨床心理士といった医療従事者であるというのも大きな特徴です。現在、日本で活躍しているファシリティドッグは『べイリー』と『ヨギ』の2頭だけ。写真は、日本初のファシリティドッグとなった『ベイリー』(ゴールデンレトリバー)2010年1月より静岡県立こども病院に勤務しています。
こちらの写真はベイリーに続き、ファシリティドッグ2頭目になった『ヨギ』(ゴールデンレトリバー)2012年7月より神奈川県立子ども医療センターに勤務しています。
いろんな施設を定期的に訪問するのではなく、固定された病院に毎日通うことで、多くの時間を患者さんと共有し心の支えになります。毎日、来てくれるという楽しみも大切ですよね。
ベイリーの一番好きなことは『食べること』次は『添い寝』今日も元気に子ども達の横で添い寝です。『可愛くて仕方ない』という子どもの笑顔が眩しい!
患者さんだけではなく、共に闘う家族も癒すファシリティドッグ
ツライ治療もそばで見守ってくれます。治療方針を決めるカンファレンスにも立ち会うことがあるそうです。
ファシリティドッグのゴールは『治療成果を上げること、および子どもたちの治療や療法への前向きな姿勢を促すこと』となっています。
この活動が始まり6年以上が経ちますが、ファシリティドッグ、ベイリーとヨギへのクレームは0件。それどころか、「何に対しても反応しなかった子どもが、目で追うようになり、手を伸ばすようになり、最後は笑顔を見せてくれた」「終末期、あまりの辛さに、食事も喉を通らなかった子どもが『見ててね』と言って、スパゲティとアイスクリームを一人で食べた」「病気で目が見えなくなった子どもが治療中もパニックを起こすことがなくなった」と様々な効果をもたらし、家族から、何より患者となる子ども達から感謝の声が絶えません。
病棟を訪問したり、治療や検査、手術室の前まで同行など、いろんな場面で、患者たちの力になり、支えになり、勇気を与えるファシリティドッグ。ベイリーとヨギが、もたらす絶大な癒しの効果は、患者である子ども、家族の心の負担を取り除いてくれます。子どもたちや家族の癒しになることで、医療スタッフにも笑顔が増えるという『正の連鎖』が起きています。
まだ、日本には2頭しかいない『ファシリティドッグ』ですが、こらからどんどん増えてくるのではないでしょうか。闘病生活を送る患者さんたちの空間に『なくてはならない存在』この先、ファシリティドッグの認知が国内でも拡大していくことを願います。
Thanks for reading to the end.