今年になって読んだ本たち。
禁じられた遊び
ほしの子
ひとんち
なかなか暮れない夏の夕暮れ
美しい距離
静かな雨
四季を読む
サイレント トーキョー
乳と卵
かわうそ堀怪談見習い
あたしの一生
サイレンス
事故物件7日間監視リポート
朝が来るまでそばにいる
ことり
「ことり」が優しいのにとても悲しいような切ない話だった。
ポーポー語という言葉を話すお兄さんとその言葉を唯一理解できる弟。ずっとお兄さんに寄り添って、お兄さんが亡くなった後も静かに生きていく弟の話。
幸せなんて側からみたら分からないもので。
幸せなことがことりことりと外れていく。
それでもその中でさり気なく幸せは散りばめられて。
彼らは何もしていない。ただただ静かに日々を二人で紡いでいくはずだったのに。
ただ、鳥小屋の小鳥を遠くからみんなの迷惑にならないように静かに眺めているお兄さん。
そのお兄さんの脇を異質なものと関わりあいたくないと大袈裟に避けていく人。
幼稚園の鳥小屋の掃除をする弟。
ある事件がおきて、あらぬ疑いをかけられて鳥小屋の掃除を断れてしまう。そして道行く人たちに避けられることも。
何故か住んでいる地域には彼らのことを知っている人は沢山。ほぼ他者との交流を持っていないのに。
何もしていないのに。
彼らは静かに幸せに暮らしいているのに。
確かに日々、鳥小屋を眺めている人がいたらちょっとした噂になるだろう。そうやって彼らの穏やかな生活を侵しているのは私なのかも知れない。
二人で生活している時に確かに彼は幸せだったと思う。
でも私はそのひとたちをみたら、幸せだと思うだろうか。異質な人たちと思ってしまうかもしれない。
他者には分からない幸せ。
その幸せを侵さないように生きたいと思った。
そして私の幸せも。
物語のなかで弟さんの出会いと別れ。そして日々は過ぎていく。
「ことり」というタイトルだけをみて私は黄色い小鳥を思い浮かべる。なんてことない、小鳥がヒヨコに変換されてしまったからだ。
でものこの物語は色に例えるなら淡い黄色だと思った。
優しい色合いなのにどこか寂しげな黄色。
それはお兄さんを失った弟さんの色ななかもしれない。