さて、いよいよ競技開始。

先ずはクラッシュ力、握力計AK150部門!




握撃道さんが開発した正に「握力王大会仕様」の公式握力計となるAK150、満を辞して今大会からの導入である。


試技は3回、納得の記録が出たら以降の試技はパスしてもOK!


そして「記録なし」がない部門でもある。

(他の部門は重量を申請→試技。失敗すれば当然記録には残らない。また失敗してもその重量から重さを下げる申請はNG。パワーリフティング等と同じルールで、最悪記録なしとなってしまう。)


私としてはこの部門で好成績を出し、スタートダッシュを切りたいところ。

それと同時に、クラス優勝を目指すならここは1位通過しかないと思っていた。


というのも、なんせ皆さん強い。特に握撃さん。

この後のピンチ力でも私の持ち記録より5kg以上重い記録を持っている。

ホールド力に至っては15kg程は差がある。


以前「ライバルと思っています!」と励みになる言言葉を頂いたが、実際のところ唯一同じくらいなのがこのクラッシュ力。。。


という事で、私が勝つには


① 自己ベストを叩き出してクラッシュ力で競り勝ち

②尚且つピンチ力でも自己ベストは当然、大会バフをかけてなんとか単独1位をもぎ取ること。


この2つが最低条件だった。

ちょっとハードル高くないですか先生。


前半、中盤で大きく逃げそのリードを持って最後まで粘りきる「大逃げ作戦」である。


仮に逃げが小さかった場合。

ようはクラッシュ力かピンチ力のどちらか1つでもタイ記録だった場合、ホールド力の記録から考えて勝つのは9割方無理と考えていた。


※今大会は各部門で順位を競い、順位にふられた獲得ポイントの合計で最終順位が決まる。

獲得ポイントが同点の場合は体重が軽い方が勝ちとなる。

そうなれば勝ち目はないので私が勝つなら明確に差をつけなければならない。


とはいえ他の参加者の方も当然強い。

この作戦はあくまでお誂え向きの展開が向いたら、の話ではある。


私は真っ向勝負で勝てるほど、強くない。

ほんの少しだけ握力に関わった時間が長いだけの頭の薄いおじさんである。


そんな凡人が勝つにはこうやって展開をシミュレーションしながら作戦を組み立てておくしかないのだ!


ん?なんか狡い?


なんてこと言うんだ!

け、決して狡いわけではない!(動揺)


まあそんなこんなで作戦は立てていたが折角の晴れ舞台、大会は楽しんでナンボである。(ここ大事)



それにいくら作戦を立てようが、結局握力競技はその時の全力を尽くすというのが基本。

勝ちに拘りすぎて自分を見失っても仕方ないので、今年一年の成果を確かめるつもりで試技に臨もう…

そんな事を頭の片隅に置きながら自分の出番を待つことに。


さて。いきなり話がズレて申し訳ないが、今大会はクラスが4つ設けられていた。


  • 男子-19クラス
  • 男子+19クラス
  • 女子クラス
  • ビギナークラス

である。


何故かビギナーから始まると思い込んでいた私は呑気に構えていたところ、試技も先のクラス順で実施されるということで私の出番はまさかの3番目!


ふおおおお!!!(汗)


一気にド緊張状態である。


握撃さんがトップバッターで出陣したかと思ったら速攻で順番に。


も、もう握るしかねえ!!


心臓バクバクする中、平静を装い檜舞台へ。


手のポジションを合わせて息を大きく吸い…


ふんがー!!

なんか最後の方に断末魔のような声が出た気がする…


記録は、、、自分でもビックリ


127.1kg!!


自己ベスト大幅更新!!


力み過ぎて若干クラクラしながら席に着席😵‍💫


大会という場、そして参加者の方の熱が思わぬ力を引き出してくれたみたいである。


最高の気分だ。(早い)


一巡目が終わったところでこの記録はクラスでは暫定1位、最高の滑り出しとなった。


各クラス2巡目に入って行く。


トレーニングでAK150を握っていたときは、2回目、3回目と記録が上がっていったので色気を出して更なる記録更新、130kg超えを狙った第2試技!


が、力を込めて握るも124.8kg…!!


悪い数字ではない。おそらく1回目がバッチリハマり過ぎただけなのだ。

とはいえ、残念ではある。


私の場合、2回目で記録が下がると3回目で記録更新したケースは多分一度もない。

まして次のピンチ力では実力上位の相手に番狂せを起こさないといけない。


2巡目が終わっても依然クラス1位は保持。

経験上、これ以上握っても記録の上乗せは厳しい。

加えて、情勢を見るとなんとかこの部門は逃げ切れそうでもある。

ここは作戦通り「大逃げ」するため、3巡目はパスするべきだ。


「それじゃあ3巡目をする方は挙手して下さい」


という大会進行役、審判、選手の一人三役を務めるyoungさんの声。


あげちゃダメだ…あげちゃダメだ…


碇さんちのシンジくんみたいな事を脳内で考えまくる。


しかしそこで


130kg


という悪魔の囁きが👿


…目標にしてたではないか。出したい。この素晴らしい大会で、130kg超えを果たしたい!

なにより大会は楽しんでナンボじゃないか!

完全に「かかって」しまった。


思わず上がる手。


そして勝負の3回目!


作戦や今までの経験をガン無視して浪漫に走ったこの行為!!


男にはやらねばならない時がある!!!


記録はなんと!!


122.7kg。







うわーん!!

ワシのバカバカバカ!!!




え、自分で決めたくせに男らしくない?


うるせえ!!(泣)




とまあ紆余曲折は(私の中だけで)あったが、結局第1試技がものを言いクラッシュ力部門はなんとかクラスで1位通過することが出来た。


因みに他のクラスはどうだったのだろうかというと…1位の記録は


女子部門  71.2kg

ビギナー部門 104.7kg

+19クラス 137.4kg(今大会最高値)


であった。


137.4kgを叩き出したのは握力youtuberとして活躍中のおよカトさん。

毎大会出場されているが、記録をどんどん伸ばしており驚くばかり。


なお、+19に関しては他の方も

136.2kg

130.3kg

126.1kg

117.6kg

という魔境である。

この化け物どもめ…(褒め言葉です。次回会った時殺さないで下さい。)


女子で70オーバーも初めて見たし、ビギナークラスで100kg台半ばなのは!?となってしまった。

しかも出したのはまだ高校生の方である。


また-19クラスに出場されていた握力2年生さん。

握力トレーニング歴一年ちょっとだそうだが、こちらも105.3kgという素晴らしい記録。


…ちょっと待ってくれ、おじさんには刺激が強すぎる。


私がそのくらいの記録を出せたのはトレーニング始めて5〜6年目の30台半ばの事だ。

なんとも末恐ろしい。


彼らが私くらいの歳までトレーニングを継続していた時は時は果たしてどんな記録を出すのだろうか。そんな事も思ってしまった。


本当に今の若い人は強い、そして握力界隈のレベルが高くなっているのを感じた一幕だった。


次回は「トラウマピンチ編」である。