皆様､こんばんは｡

休み二日目の夜中です｡季節外れの陽気は昼酒の美味さを際立てる一方でその後の過ごし方をダラダラとさせてしまう弊害も…そして昨日の記事を打込後買物に行った先で或る中古車情報誌に掲載されていた｢映画とクルマ｣の特集を読んでみたものの期待外れ…この題材なら｢トラック野郎｣｢狂った野獣｣｢暴走パニック大激突｣等々の東映映画が当然取り上げられている筈と確信しましたがその気配は皆無で｢静かな健全映画の小道具としてのクルマ｣ばかり｡辛うじて｢あぶない刑事｣の劇用車の一部だけは紹介されてはいましたが東映絡みはこれのみと云うのは俺としては寂しかったです｡憶測ですが､この題材は｢健全好きか?徹底娯楽好きか?｣又は｢絵や静としてのクルマか?使い切られる動としてのクルマか?｣等々で取り上げられる作品が180度違ってしまうのかと｡

さて本日は東映で｢五番街夕霧楼｣｢鮫｣｢冷飯とおさんとちゃん｣等々を手掛けられた田坂具隆監督の遺作かつ唯一の喜劇調の作品と言ってもいいかも…DVD化作品で有料動画配信は行われていませんが､名画座での公開及び有料波での放映実績が複数回あります｡

｢スクラップ集団｣昭和43年11月24日公開･野坂昭如原作･鈴木尚之脚色･田坂具隆監督･松竹制作｡

スクラップ集団：映画作品情報・あらすじ・評価｜MOVIE WALKER PRESS 映画スクラップ集団(1968年11月24日公開の映画)の作品情報。あらすじ、上映スケジュール、評価・レビュー、関連ニュース。野坂昭如の原作を、「湖の琴」でコンビを組んだ鈴木尚之が脚色、田坂具隆が監督したコメディ。撮影は「銀の…

moviewalker.jp

様々な事情から職を放棄し大阪･釜ヶ崎に集まった汲取り屋の渥美清･役所のケースワーカーの露口茂･屑屋の小沢昭一･医者の三木のり平…排泄物･塵屑･社会から見捨てられた弱者･命の捨て場(=安楽死)に携わった四人は意気投合し三木さんを中心として人間生活に関わる全てのスクラップを商売とする事とし成功します｡しかし三木さんが事業欲を出して渥美さんに観光事業を遣らせ始めた辺りから不協和音が…

鑑賞から相当時間が経っている上に再見せずにこの記事の打込をしている為記憶は朧気｡しかも各映画情報サイトの鑑賞録を読むと賛否両論の意見が並べ立てられてはいますが､ブラックユーモアを生かしたかなり面白い作品であると俺は感じました｡｢世論や世間と同調出来ずに｢捨てられた!｣等々と被害妄想を持つ集団が､自らの主義主張を行動で世論や世間を同調させた面白さ｣｢渥美さんは父親が誰かも知らぬ子を身籠もって捨てられた奈美悦子を伴侶に迎え､生きたゴミさえをも受け入れる徹底振り｣｢安楽死を研究していた三木さんが事業欲に生き甲斐を見付けた結末は自然｡逆に異を感じ独裁者となった三木さんに手を貸していながらも普通の生活を手に入れた渥美さん･姿を消した露口さん･元に戻った小沢さんも過去を考えると自然の結末｣等々､酷評されている程ではないです｡寧ろ､田坂監督自身がそれ迄携わった作品群に対する評価に疲弊したか能力の限界を感じ｢俺自身がスクラップ化されたい!｣と敢えてこの作品を最後と決め､野坂先生の原作を借りながらも主演の四人には｢この時点での俺(=田坂監督)の代弁者となって欲しい!｣と願いながら取り組んだのではないかとも思った程です｡

臭い仲とはこれの事?松竹｢スクラップ集団｣渥美清/露口茂/小沢昭一/三木のり平･田坂具隆監督