皆様､こんばんは｡

休み3日目の夜中です｡快晴に恵まれ快適な温度で過ごし易かった昨日ですが､外出しても余計な金がかかるだけですので軽い散歩以外は部屋に籠もりました｡昼夜逆転もしなければなりませんでしたしね…そして数ヶ月振りに焼きそばを作りましたが､安価に腹を満たせますし目玉焼きを乗せた焼きそばをおかずに白シャリを食し大満足!因みに秋田県内では目玉焼きを乗せ福神漬けを添える｢横手焼きそば｣が名物ですが､俺は目玉焼きを乗せるのは大好きでも添えるのはやはり紅生姜の方が遙かに好みです｡又､大映が制作した｢黒シリーズ｣を完全制覇したい為(一部しか鑑賞及び録画していませんでした)ほぼ完全に放映されるCS･衛星劇場を期間限定で復活させました｡来月のみでもいいと思っていたのですが改めて調べると今月のみ放映の作品もあった為…以前は日本映画専門ch･chNECOで大映作品を多く放映していたのですが最近は看板の松竹作品、そして東宝･日活･大映作品に関しては衛星劇場が積極的です｡

そして本日は此方の作品を…DVD化作品でひかりTVビデオ/DMM.TV/U-NEXT(見放題対象作品)内に於いて有料動画配信が行われています｡舟場和郎脚本･瀬川昌治監督･渥美清主演･東映東京制作｢喜劇･列車シリーズ三部作｣の流れを汲む松竹｢喜劇･旅行シリーズ｣の末期に当たる作品｡因みに｢東映から松竹への移行の経緯｣は､東映ではこの種の喜劇の観客動員が今一つで(但し｢列車シリーズ｣に関しては鉄道弘済会を通じた組織動員及び第一弾･第三弾は鶴田浩二主演の戦記映画の併映であった事により黒字だったとの話も有り)渥美清に頭を下げて移籍をお願いした岡田茂･前東映名誉会長(渥美さんは当初古巣の東宝に戻ろうとしていたものの､岡田名誉会長は｢貴方には松竹が最も水に合うと思う｣と提言したとの話があります)に対し､松竹の幹部が｢このシリーズはうち向けなので…｣と舟場先生･瀬川監督の譲渡を願い出て実現したとか…岡田名誉会長は瀬川監督に｢ちょっと行って遣って来いや!｣と快く送り出したそうです｡

｢喜劇･怪談旅行｣(｢喜劇･旅行シリーズ｣第十弾)昭和47年6月10日公開･舟場和郎原作/脚本兼務･瀬川昌治監督･松竹制作｡

喜劇　怪談旅行：映画作品情報・あらすじ・評価｜MOVIE WALKER PRESS 映画喜劇　怪談旅行(1972年6月10日公開の映画)の作品情報。あらすじ、上映スケジュール、評価・レビュー、関連ニュース。“旅行シリーズ”第十作目。原作・脚本は「開運旅行」の舟橋和郎、監督は「喜劇　新婚大混線」の瀬川昌治、…

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実子･森田健作と共に紀勢本線太地駅(和歌山県)に勤務する三木のり平は､駅員である林ゆたか等々に｢長と付く名の仕事はしたくはない!｣と言いながらも､後輩ながら自らを追い越し駅長として赴任した勤勉で生真面目なフランキー堺にヤキモチを焼いていました｡その気持ちが顕著に表れているのは公舎建替の代替住宅に長年空家かつ尼寺のそばにある襤褸家をあてがった事…しかし堺さんにとっては数年前に子宮外妊娠により他界した愛妻･日色ともゑの霊が常に付き纏い夫婦の会話も成り立っていた為にそんな事には我関せずでしたが､周囲にはともゑさんの霊が見える筈はなく､堺さんの行動は奇妙にしか見えない…しかし､のり平さん･健作さん親子が交際していた居酒屋の美人姉妹である野川由美子･川崎あかね姉妹に堺さんが接近した上に野川さんと日帰りの温泉旅行に行ってしまった事がのり平さんの癪に障ってしまいます｡更に女遊びを黙認しいい人が居たら再婚も容認していたともゑさんは何故か野川さんに対してはヤキモチを焼き､堺さんに一泡吹かせようとしたのですが､廃屋となっていた映画館で賭博開帳を行っていた愚連隊がこの儲けを失いたくはない一心で化物騒動を引き起こす為に変装した所､堺さん･野川さんだけではなく本物の幽霊であるともゑさん迄が腰を抜かしてしまい…

｢喜劇･列車シリーズ｣は3作品しか鑑賞出来ていませんので総括は不可能…しかし当作に限って言えば同じ松竹の喜劇で言うと｢男はつらいよシリーズ｣よりも｢ドリフターズ主演のドタバタ喜劇シリーズ｣寄り｡しかもあかねさんを始めとする海女役が多数登場する関係で乳房もふんだんに見られるに留まらず､堺さんが誤って待機小屋を破壊してしまう場面では女優の局部に前貼り代わりの白色の修正が入ってしまう程!ほのぼのさを保ちながらドタバタ劇と東映のお家芸である…いや｢東活｣名義でピンク映画を制作していた松竹のもう一つの得意分野が顔を出したかの様な感ですし､松竹の喜劇では余り見られませんが｢何も思い出せないが滅法面白かった!｣の一言が似合う作品!この様な松竹喜劇を観てしまうと｢男はつらいよ｣｢釣りバカ日誌｣両シリーズこそは放映･配信･ソフト化に積極的ながらも他の喜劇シリーズは逆に消極的(ドリフターズ主演シリーズに関しては無料BS波での全作品放映や期間限定の全作品動画配信が行われたりはしましたが､VHS化はされていてもDVD化は為されていない点等々ではやはり冷遇されているとなるでしょう)｡先述の通り俺がこのシリーズに関しては3作品しか鑑賞出来ずに居るのはこれしか動画配信がされていない為…是非早急に全作の鑑賞環境を整えて貰いたい､面白い事は間違いないであろうシリーズと思います｡勿論楽しいだけではなく､団体旅行の売り込み等々にも手を抜かぬ上に口煩い堺さんを煙たがっていた三木さん･健作さん･林さんだったものの終盤で起きた一騒動での経緯が強固な信頼関係構築に繋がる男のドラマも…

そして日活配給｢黒部の太陽｣で不治の病に冒された三船敏郎の次女を演じたともゑさんの愛嬌は｢こんな幽霊なら毎日でも…｣と思わせる程!｢あたしが死んだ時棺桶に眼鏡を入れ忘れたのが悪い!｣と､街灯を月と見間違えた際に堺さんに悪態を付いたり､先述の様に作り物の化物に腰を抜かす幽霊なんて憎めないし可愛い!事実､清らかな雰囲気とは裏腹に同じく松竹の天地真理主演｢虹をわたって｣ではあばずれの雰囲気を持った中年女性を､堺さんと再び共演した松竹｢瀬戸はよいとこ･花嫁観光船｣では亭主役の財津一郎を顎で使う恐妻を､菅原文太主演の傑作単発ドラマである東映｢たそがれに標的を撃て｣では文太さん一家の良妻賢母と非常に守備範囲の広い名女優!恐らくNHKで放映された｢大草原の小さな家｣での吹き替えの印象が強い方々が多いとは思いますが､大馬鹿にもなり切れる名女優である事を知って貰いたいです｡因みに当作品は生前のともゑさんと瓜二つの､野川さんの友人女性(従ってともゑさんは二役)と堺さんが出逢い交際に発展する事を想像させ幕を閉じます｡

こんな愛嬌溢れる幽霊なら毎日でも…松竹｢喜劇･怪談旅行｣フランキー堺/日色ともゑ･瀬川昌治監督