艶笑小話を映像化!日活ロマンポルノ「江戸艶笑夜話・蛸と赤貝」小川節子/柳家かゑる/ケーシー高峰 | 東映バカの部屋

東映バカの部屋

東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。

 

 

休み二日目、新たな積雪は有りませんが、曇り空で冷え込みが昨日に比べると厳しいです。

 

 

 

さて…毎年二月は「スカパー加入●周年の贈り物」と云う事で、一定金額分を上限に普段視聴出来ない局を無料で一か月観る事が出来ます。

 

 

俺は毎年、衛星劇場を選択しています。此方も契約はしたいのですが、俺は基本パックに東映chを加えていますので、これ以上は…

 

 

と云うのも、日活ロマンポルノの放映に最も力を入れているのは松竹系列の衛星劇場なのです。(但し、スカパー!CS219chは「R15+版」のみを放映の為、通常の「成人指定版」の放映の場合は別番組に差し替えられます)

 

 

東映chや日本映画専門chでも「R15+版」を放映する場合が有りますが…日活系列のchNECOが最も放映し易い上、放映に関しての障害等々も一切無い筈なのに、通常時はおろか「日活ロマンポルノ45周年」の記念すべき年に未だに一作品も放映がされていないのは不思議かつ疑問です。

 

 

 

そして今月の初めに「ロマンポルノなら…」と気軽な気持ちで録画した「全放映波に於いて初放映」のこの作品、大傑作!

 

 

 

「江戸艶笑夜話・蛸と赤貝」昭和49年9月11日公開。西田一夫/藤浦敦の共同脚本・藤浦敦監督・日活製作。

 

 

未VHS/DVD化作品で有料動画配信も有りませんが、今月の衛星劇場内に於いて「R15+版」「成人指定の通常公開版」双方の放映が行われました。(俺が録画・鑑賞したのは「R15+版」です)

 

 

今回も画像の準備が出来ませんでしたので、俺がブルーレイの画面から撮影した「汚い下手な写真」を使用します。

 

 

 

 

 

 

※KINENOTEの作品案内は此方から

 

 

※衛星劇場の作品案内・放映時間案内は此方から(放映完了済みです)

 

 

 

脚本(共同執筆)と監督を兼任した藤浦監督は読売新聞の記者を経て日活に助監督として入社し、伊藤大輔監督を師と仰いでおられ、日活ロマンポルノ完結後は統括に転身し「徳川の女帝・大奥」「洛陽」を手掛けられました。

 

 

落語作家として「三遊亭宗家」の肩書も持っており、近年は藤木TDC氏との対談を綴った書籍を発行しています。(俺は未購入です)

 

 

 

当作品の内容は、衛星劇場の作品案内を引用させてもらいます。

 

 

 

●衛星劇場の出演者案内・作品案内より

 

 

出演:小川節子 柳家かゑる 三遊亭圓歌 ケーシー高峰 ひろみ麻耶 大山節子 小泉郁之助 北美マヤ 衣笠真寿男

 

テレビ・ラジオではお目にかかれない艶笑話を、ケーシー高峰、柳家かゑる、三遊亭圓歌らの賑々しい顔ぶれの熱演と、小川節子、大山節子の妖艶な演技で贈る日活ロマンポルノ。監督は三遊亭宗家の肩書を持つ藤浦敦で、落語でお馴染みの色ごとしか知らない放蕩息子が腰巾着の幇間や女盗賊とまき起こす、笑いとイキの世界を思う存分に描く。

 

 

 

●左・大山節子/右・小川節子

 

 

 

 

 

小川嬢は青森県出身の「細身ながらも程好い大きさかつ美形の乳房を持った和美人」で、記念すべき日活ロマンポルノ第一作目から携わる「時代物の女王」と言われた方。高岡健二(現・高岡健治)の前妻です。最近女優に復帰されたとの話が書籍「蘇る!日活ロマンポルノ」(徳間書店・刊)に記載されています。

 

 

 

●左・ケーシー高峰/右・初代柳家かゑる(現・鈴々舎馬風)

 

 

 

 

 

 

俺は落語に関しては噺家も出し物も詳しくはありません。「笑点」等々の番組に出演されていたか、落語以外の番組でも活躍された方でなければ解らない位です。

 

 

馬風師匠に関しても、記事を書くに当たって調べてみた所、俺が出生前に半年程「笑点」の大喜利の出演者の一人として活躍し「交尾絡みの黒い笑いを好む」芸風とか…

 

 

「医療漫談」で卑猥な講義を、地上波放映やNHK第一放送の園芸番組で未だに堂々と披露する高峰先生との相性が抜群かつ「元々親友ではないのか!」とも思わせる「完全に息の合った遣り取り」が絶品である事に納得しました。

 

 

 

高峰先生は当作内でも「映画館のあんちゃん達へ!」と「女体講座」を披露!

 

 

「乳首が離れているのはオランダの医療用語でサヨナラおっぱい!土留め色で使い果たされた乳首の乳房は疲労困パイ(疲労困憊)!使い果たされた局部は塩梅が悪いから挿入した瞬間にダムみたいなもの…これは医学用語でまんダム(マンダム)!性感帯は彼方此方の部位が結ばれているから、これは性感連絡船(青函連絡船)!」

 

 

 

やはり野郎は「下品で卑猥な事を堂々と言い放ててその通り行動出来てこそ野郎!」でしょうし、女性に包み隠さず露にするのが正道でしょうね!

 

 

その証拠に、この場面は高峰先生が「ぶっつけ本番の一発撮り」で「過去の物語に現代の用語を使用しながらも、自らのネタを自らの持ち味で放つ形で芝居に臨んだ」と思われる様子と、本番の撮影ながらも笑いを堪え切れずに吹き出し続ける女優陣の表情が非常に自然な素晴らしいもの。

 

 

「エッチ」「助平」で喜んでいては精々「男の子」と呼ばれて終わり!それで満足をしていては日本男児や野郎の精神は今後も衰退し続けて行くだけですし、この精神を絶対に絶やしてはならず、寧ろ取り戻すべき「素晴らしい物の見方・考え方」です。

 

 

この高峰先生の芝居も「日本の野郎精神を取り戻す為のいい教科書」の一つです!

 

 

 

終盤は「詐欺師」である筈の小川嬢が「一緒に心中した」馬風師匠を「馬鹿だけれども毒にもならない奴だったよ…」と、これ迄騙し続けてきた「成金野郎達との違い」から感情移入し始め(心中は未遂で二人共に生還しましたが、お互いに「相手は死んだ」と思い込んでいます)最後は「小川嬢の幽霊騒動」でもう一花咲かせます。

 

 

 

「各放映波に乗せられる事の無かった艶笑話を、ロマンポルノの場と多くの噺家の力を借りて見事に映像化し、皆が大馬鹿になって観る側を大いに愉快にさせる大傑作」ですし、東映の娯楽精神である「泣かせて笑わせて手に汗を握らせる」に相通ずると感じました。

 

 

当作品は今直ぐにでも「視聴環境を整える事=DVD化・有料動画配信化・名画座での積極的な公開・有料放映波での積極的な放映」を望みます。