ロボコップもいるよ | Whoops!カズのお気楽れんらく帳

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デトロイト

2017年アメリカ
監督:キャスリン・ビグロー
出演:ジョン・ボイエガ

「ケンタッキー・フライド・ムービー」ってバカ映画で、拷問に強い男に向かって“こいつをデトロイトへ連れていけ”と言うと泣き叫ぶ、ってギャグがあった。何のことやら分からずに笑っていたが、住むのが拷問より苦痛ってどういう事?

確かにこれは、泣いて頼んでも住みたくないな。仕事が無い、住む所も無い、何より安全がない。特に黒人だと危険度が増す。人種も肌の色も自分じゃどうにもならないのに。

この事件も、まずい時期のまずい場所に、顔を会わせてはまずい人が集合、しかもそれが警官と黒人だった最悪の状況。偏見と暴力が権力を持つと、こんな理不尽な事になるのか。ほんの1時間足らずの出来事が永遠に続くような悪夢を、その場にいるような居心地ので悪さで迫る様はホラーに近い。

更に恐ろしいのは、死人も出たこの事件で誰も裁かれていないって事だ。何が原因で何が起きたのか、誰が見ても明らかなのに、闇に葬るしかない。この状況は現在も変わってないではないか。この映画がいま作られた理由は、正にそれであろう。

結局、銃はどこ行ったのかとか、警官達の行動が不明瞭とか、すっきりしない部分もあるものの、トランプ時代のいまこそ作られるべき作品だろう。そこは流石のビグロー監督。相変わらずの男前ぶりである。

桜坂劇場 20180301