怪獣オタクの野望 | Whoops!カズのお気楽れんらく帳

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キングコング 髑髏島の巨神

2017年アメリカ
監督:ジョーダン・ヴォート=ロバーツ
出演:トム・ヒドルストン

ピーター・ジャクソン版「キングコング」は大好きな作品だが、欠点も多々ある。強すぎる思い入れが爆発して誰も止められなかった結果、あれもこれも盛り込み過ぎて無駄に長いし、なにより悲恋を強調し過ぎて、アカデミー賞ものの名作っぽくなっている。

それはいいことなんじゃ?確かに良かった。だが、キングコングとは大怪獣映画の代名詞。怪獣映画に泣きはいらねえ!嘘臭くてバカっぼくて、とにかく怪獣が暴れてりゃいいんじゃい!まあ贅沢な文句だね。

その点、今回は合格だ。人間は最小限しか出てこずに、余計なドラマや恋愛要素は一切無し。後はひたすら怪獣vs 怪獣vs 人間の大バトル。これよこれ!さすが、“俺の見たい映画を作るby トーマス・タル社長”がモットーのレジェンダリー映画である。

ベトナム戦争終結後の70年代という時代設定も絶妙だ。世界に秘境が残っていた時代、と言うよりも、米軍とコングが遠慮なく戦えるお膳立てにはピッタリ。冒頭から出し惜しみ無しでコングと米軍ヘリ部隊が大激突!夕日をバックにした絵面も痺れる。

なによりコングのキャラ設定がいい。今回は人間に翻弄される悲劇の野獣などではない。人間や水牛を助け、無駄なケンカも仲裁してくれる優しさがありながらも、生態系を乱す者や自然を破壊する者には一切手加減無し。まさに髑髏島の平和と秩序を守る守護神なのである。

だから、勝手にやって来て人の土地にミサイル打ち込む、ベトナムの反省が何も無い米軍に、「何してくれとんじゃ!」とコングがぶち切れるのは当然の事。主人公たちが全滅してるのに痛快な見せ場になっているのは、コングこそ真の主役、ヒーローとして描いているのに他あるまい。

巨大ゴリラとは一線を画する造詣もカッコいいし、大好物の金髪美女にもストイックに接するのも男前過ぎ。これじゃ人間は影が薄い…と思いきや、1人だけコングとタメを張る人が!もちろん我らがサミュエル叔父貴である。巨大なコングに全く怯まず睨み付け、「狩ってやる」と闘志まんまん。コングにも部下にも大迷惑でしかないが、怪獣相手でも対等に渡り合えるのはこの人しかいない。豪快なやられっぶりも素敵。

レジェンダリー映画は今後、怪獣バースと題して、ゴジラとコングを対戦させたり、ラストの通りあの怪獣達を登場させて、大怪獣祭りをやらかすらしい。まさか東宝チャンピオン祭りがハリウッドで再現されるとは、目眩が起きそう。オタクが金持ちになると何でもありなんだね。羨ましい。

キャナルシティ 20170416