マザコンスパイのかまって対決 | Whoops!カズのお気楽れんらく帳

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007/スカイフォール
2012年イギリス
監督:サム・メンデス 出演:ダニエル・クレイグ

イギリス男は皆マザコンだと聞いたことがある。何故なら女王陛下に仕えているから。
って、それじゃ女性天皇なら日本人は皆マザコンか?と突っ込みたくなるが、男なんてのは皆多少はマザコンだ。だから女性上司を持つ男は、少なからず何らかの感情を持つのは仕方のない事。それが都合のいい男の理想像の塊みたいなジェームズ・ボンドなら尚更だ。

思えば上司Mが女性のジュディ・ディンチになって17年、ボンドを絶滅恐竜と言い放った彼女の存在がようやくクローズアップされるのが本作だ。

なにせボンドも敵のシルヴァもかなりのマザコン。2人ともママに認めて欲しくて頑張ったのに、任務優先であっさり見捨てられて拗ねてるのだ。
そしてぐれたシルヴァはテロリストに、困ったママを助けにボンドは復帰。要するに2人はMを挟んで表裏一体、まるで三角関係のような争いが展開されていく。

なので冒頭のド派手なアクション以降は、世界を股にかけながら話はスケールダウン。どんどん個人的な小じんまりとした展開になっていく。秘密兵器は?派手なスタントは?ボンドガールがマネペニーとMだなんて、こんなの俺が求める007じゃない!

では失敗作かというとそうじゃない。情け無用な暴れん坊なのに繊細で傷つき易く情に脆い、そんな面倒くさい性格のダニエル・クレイグ=ボンド像に本作はピタリとはまって、ボンドの内面も焦点を当てた異色の快作に仕上がっている。

思えば異色尽くめだった前2作を通して、本作でようやく新しいボンド像が出来上がったって感じ。それを象徴するかのように登場するアストンマーチンと007テーマ曲には感激。

この時代にスパイは必要か?って疑問にも見事回答した本作。でもこの次はどうするんだろう?リアル路線で行くのか?50周年を超えても、まだまだ気になるシリーズである。でも秘密兵器は出して欲しいなあ。


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