ん~さすが老いてなお盛んなウッディ・アレン。なんて小粋な映画作るんだろう。
主人公が不満タラタラの現実から逃避して、1920年代の黄金時代、夜のパリの喧騒に迷い込むって設定は、現実から映画の世界に逃避した「カイロの紫のバラ」に通じるものがある。
どちらも束の間の現実逃避しながらも、結局は逃げずに踏ん張るしかないってテーマだけど、それを堅苦しくないファンタジー・コメディとして ワクワクするような楽しい作品に仕立ててみせる見事な名人芸。
あと人生の伴侶はちゃんと考えて選べという、女にだらしない人生を送ってきた アレンこそに言える教訓も面白い。
何かが生まれていると感じさせる、ノスタルジックでエネルギッシュな深夜のパリも魅惑的。それ以上に、当時の芸術家たちを魅了したというアドリアナを演じたマリオン・コティヤールの素敵なこと。
それと主人公がルイス・ブニュエルに「皆殺しの天使」のアイデアを教えるシーンが笑える。何で部屋から出ないんだ?って、それは俺も聞きたいよ!
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