ヒューゴの不思議な発明 | Whoops!カズのお気楽れんらく帳

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「アバター」以降、とりあえず何か飛び出してくれば客が入るだろうという安直な考えから、やたらと量産されていた3D映画も、大作のみで数も減りバブルも弾けた気もする今日この頃。

このまま無くなってくれても俺は全然構わないが、ただの見世物で語られそうな3D映画の存在意義ってなんだろうと思ってしまう。

しかし、さすが巨匠マーティン・スコセッシは違った。
3Dも児童小説も初めてながら、俺が作る以上はただの飛び出す映画にはしないぞ、という意気込みが伝わってくる。

雪の中を駆け抜ける冒頭の浮遊感から、配管だらけの駅舎内の奥行き、画面をヌーと乗り出してくるサーシャ・バロン・コーエンの顔の気色悪さなど、ここぞというばかりの3D効果は抜群だ。

なによりもこの映画は、特撮映画の父ジョルジュ・メリエスと、映画創世紀の先人たちへの多大なリスペクトになっているのがシネフィルのスコセッシらしい。

映画に初めて魔法をかけたメリエスの功績讃えつつ、彼の試みと情熱が最先端の映画技術である3Dに繋がっている事を、彼の映画を初めて見た人々の驚きと3D映画の驚きを重ね合わせて再現しているのだ。これ以上意義のある3D映画は他にあるまい。

まあヒューゴ少年は何も発明してないし、時計にぶら下がるシーンもあまり盛り上がらず、冒険ファンタジーとしてはいまいち。だがその溢れる映画愛に、映画ファンなら感動せずにはいられないでしょう。

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