<まえがき>


この小説は、【忍者サイトマスター】で小説を書いてる人向けに設立したコミュニティ

【小説書いてるんです。】


の参加者によるリレー小説です。


<ルール>

①【小説書いてるんです。】参加者が自由に続きを書くリレー形式

②書く人は【小説かいてるんです。】参加者なら誰でもOK

③続きを書く時は最初に「続きを書きます」と宣言してから書く

 (※同じ話数を複数の人が同時に投稿してしまうのを防止する為)

④お話に番号をふって書く

 (※前後の繋がりを分かりやすくする為)

⑤【忍者サイトマスター】の発言投稿文字数の限度枠400字以内で書く

 (※コミュニティラインで投稿して頂き、管理人がこちらに転載します)

⑥一度書いた小説は、誤字脱字の訂正指定はOK。内容修正は不可。

 (※リレーなので、バトンを渡したら基本修正しない方向で)

⑦①~⑥のルールに沿っていれば同じ人が続きを書いてもOK


続きがどうなるのか誰にも分からない!

そんなドキドキのリレー小説の世界をお楽しみ下さいませ☆


<注意>

 文章の著作権はリレー小説の各担当者に帰属致します。

 無断転載はおやめ下さいますよう宜しくお願い致します。


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リレー小説

【ロスト・オブ・メモリー】1


<1>


……ここ、は……?
目を覚ますと、そこは白い天井と白い壁に囲まれた部屋だった。
「気が付かれたんですね!待ってて下さい!すぐ先生をお連れしますから!」
傍らにいた看護師が、バタバタと音をたてて走り去って行った。
どうやらここは病院のようだ。
一体どうして病院なんかに?
ズキリ!
思いだそうとすると、頭の奥に痛みが走った。
「……一体、何、が……」
ここが病院だというのは分かる。
だが、どうしてここにいるのか。それが分からない。
それに、僕は……。
「僕は、何者なんだ?」
自分がここにいる理由はおろか、名前さえ思い出せない。
「何、で……!?」
痛む頭を抱えて困惑していると、やがてバタバタと看護師が戻って来た。

<2>


「ここはどこだ」
「ここはどこだ」
「ここはどこだ」
「ここは病院だ」
「ここがどこだ」
「ここが病院だ」
「ここが病院だ」
「なぜ病院だ」
「なぜ病院なんだ」
「僕は」
「僕は」
「僕は」
「僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は」
「何者だ」
「何者なんだ」
「どこから来たんだ」
「どうしてここに居るんだ」
「何をしていたんだ」
「どうしてこうなったんだ」
「これからどうしたらいいんだ」
「だれか」
「だれか」
「だれか」
「どれが」
「どれが」
「それが」
「それが」
気づけば、誰もいなくなっていた。
誰もいなくなっていた
看護師も医者も何もかも。


<3>


ふと誰も居ない事に気づいた僕は、少し落ち着きを取り戻した。
何故、急に誰も居なくなってしまったのだろう?
その疑問が僕のあふれる気持ちを抑えたようだ。
誰も居なくなった病室で、僕は体を動かし、ベットから出ることにした。
やはり動くとズキリと頭が痛むが、他は特に怪我などはしてないようだ。
不安な気持ちを抱えながら、恐る恐る部屋の様子を見てみる。ベットは僕が使っているのが一つだけ。個室だった。
ふらつく足取りのなか、病室を出てみる事にした。
廊下に出た僕はハッと気づき、部屋のドアの名札を見てみた。
もしかすると自分の名前が書いてあると思ったからだ。
名札を見てみると名前が書いてあった。だが。
「これは……」
そこに書かれている名前。それが全く霞んで見えないのだ。

<4>


病室の名札に目を凝らしていた僕は…
ガシッ!
いきなり背後から何者かに抱え上げられてしまっていた。
そいつは僕を小脇に抱えたまま、誰もいない病院の廊下を駆ける。
『お前は誰だ?』『ここはどこだ?』『僕を知っているのか?』『どこに連れて行く?』
問いたい疑問は山ほどあったけれど、とても声にならない。
僕よりはるかに背の高いその男は、まるで重力など感じさせない動きで窓から外へ飛び降りた。
…そう。病院の三階から。
「うわっ!!!」
あまりのことに叫び声をあげる僕にもお構い無しに、車のボンネットの上に着地する『そいつ』はどう考えても一般人ではない。
「っお前は誰だ!?」
図らずも先の衝撃で発声のしかたを思い出した僕は、やっとのことでその疑問を口にした。


<5>


僕の問いかけに、男は眉をしかめ、低い声で言った。
「静かに。ここを出るぞ。早くしないと追手が来る」
そうして、僕を抱えたままダッと走り出した!
「は、離せっ!僕をどうする気だ!?」
僕の叫びなどまるで無視で、男は黙って走り続けた。
月明かりと街灯が照らす中、人気の無い病院の駐車場を、物凄い勢いで駆け抜けていく。
やがて、目の前にフッと二つの影が現れた。
「ちっ!!」
男が舌打ちし、僕を抱えたまま、目の前の影を睨みつけた。
「ダメだよウリエル。【ロストナンバー】は廃棄だと言われたハズだ」
「さ、それをこっちへ。今なら間に合う。あの方も、君を失うのはお望みにならないからね」
それはまるで、完成された絵画。
月光の下、金と銀の髪を持つ美しい男女が、怪しく微笑んでいた。


<6>へ続く。


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<提供>

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小説【ロスト・オブ・メモリー】

<文章作成日&担当者一覧>


<1> 2011/2/25 00:58:09作成

 担当者 サイト名:【七瀬の日常】  

 担当者PN:七瀬 夏葵(ななせ なつき


<2> 2011/2/26 09:42:38作成

 担当者 サイト名:【劇薬と黒Tシャツ

 担当者PN:あるとにあ さん


<3> 2011/2/26 18:30:00作成

 担当者 サイト名:【DREAM-PILOT

 担当者PN:スイナ さん


<4> 2011/2/27 14:22:10作成

 担当者 サイト名:【鬼々日記。

 担当者PN:徒波 帆酉(あだなみ ほとり) さん


<5>2011/2/28 16:49:17作成

 担当者 サイト名:【七瀬の日常】  

 担当者PN:七瀬 夏葵(ななせ なつき