★★★★☆
このタイミングでこんなタイトルの本を
読んでしまったことを深く反省。
すみません後になって気付きました。完全に天然です。
西川美和監督映画「ゆれる」の小説版です。
映画はまだ観てません。
ある女性の転落死をめぐる兄弟の愛憎劇。
相変わらず洞察が深いです。
えぐるように深いですねえ。
兄弟(とくに弟)の心情描写を中心に
事件に関わった人たちの葛藤状況が
まさに吊り橋のようにゆらゆらとゆれて、
二転三転しながら物語が展開していきます。
好意が悪意にひっくり返る瞬間の描き方が、すごくうまい。
意思が弱いちえちゃんが猛に仕掛けた意思のある罠。
いつだって善良だった稔のむき出しになった本音。
守ろうとしてきた実の兄を告発するに至った猛の心情変化。
人間の持つ二面性、表と裏を
鮮やかに対比させながら描き出していきます。
人間って複雑だよね。
こんだけ心理描写をふんだんに盛り込んだ物語が、
どんな感じで映像化されているのかすごく気になります。
モノローグを多用してるのかな?
そしてちょうど今度取り組むシナリオ課題が「兄弟(姉妹)」なんですが、
この小説には兄弟のドラマが究極の形で描かれています。
これ読んですごく参考になった反面、
ハードルがめちゃくちゃ高くなってしまった。
★5つにしたいくらいなんだけど、
この人のセンスってちょっと僕の好みからずれてるんですよね。
すごいなとは思うけど、大好きにはなれないみたいな。
