三日後、熊五郎の机が完成した。彼はそれを棟梁の前に持ち込み、評価を求めた。
「棟梁、どうでござんすか」
おずおずと聞くと、棟梁は作品をじっくりと見つめた後、
「熊五郎、見事だ。腕が錆びついてないどころか、さらに磨かれてるじゃねぇか」
と褒めてくれた。
「へぇ、ありがとうございます」
熊五郎は恐縮しながらも、胸の中で喜びが溢れてくるのを感じた。久しぶりに棟梁からの称賛を受け、彼は自分がまだ大工としてやっていけるという自信を取り戻した。
その日の夜、熊五郎はお鶴に出来栄えを見せながら、
「ちょっとしたものだけど、俺が全力を込めて作ったんだ」と語ると、お鶴も笑顔で「やったじゃないか、お前さん。これからも頑張っておくれよ」と応援の言葉をかけてくれた。
熊五郎は、家族や仲間たちの支えに感謝し、「これからも続けていこう」と心に決めた。彼はパチンコへの誘惑を感じる時もあったが、その度にこの成功を思い出し、何とか耐えようとするのだった。