『なあ清竹 完膚なきまでに罵倒してくれよ
 気持ち悪いって拒絶してくれ
 自分では終わらせられなったこの恋を
 お前が終わらせてくれ』

終わらない不幸についての話 (GUSH COMICS)/海王社

¥価格不明
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彼の好みは、小さくて可愛らしい女の子。
彼より長身で男の自分は、何もかもが理想にはほど遠い──絶望的な恋だった。
中学の頃に密かに好きだった清竹と、予期せず合コンで再会した烏童。
昔と変わらず清竹はまっすぐで、すっかり遊び人になった自分はやっぱり彼に相応しくない。
けれど燻る想いに突き動かされ、烏童は清竹と強引に身体を重ね…。苦い片恋の行く先は──。
「誤算のハート」の短編も収録。

なっち的満足度:★★★★★
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「誤算のハート」の烏堂の兄のスピンオフです~。
私あんまりこの兄好きじゃなかったので、しばらく放置してたのですが…。

すっごい良かったよ。゚(T^T)゚。

ん~、やっぱ緒川千世さんの漫画はいいよね、と改めて思いました。
すごくシンプルなんだよな~。
「ひとつこれが言いたい」っていうのがはっきりしてて、そこから脱線したり、過剰に装飾したりしないので、ものすごくわかりやすく伝わってくるな~って思う。

あとはギャップの描き方がすごく上手いですよね。
ギャップ萌えにはガツン!とキマす(´∀`)


(※感想にネタバレを含みます。ご注意下さい※)

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烏堂兄は「誤算のハート」の時にとにかく性格悪いなコイツ…って思ったんだけど、その印象そのままに、中学時代の友達・清竹の彼女を横取りしたエピソードから始まります。

大学生になった今もチャラくて、お金にも女にも不自由してないバイ(タチ専)なイケメン無双なんだけど、実は中学の時から清竹のことが好きで…というお話。


うん…、ストーリー的にはいたってオーソドックスなんですが、それをここまで読ませるってすごいよなぁ。

とにかく、烏堂兄のギャップがすごい。

酔っぱらった清竹を車に乗せてフ○ラするんだけど、私この後絶対、清竹につっこむもんだと思ってたら、
なんと自分で解して乗っかるんですよ!

これにはほんとビックリした~∑(゚Д゚)
ここ最近、受け攻め予想ははたいがい外れなくなってきたんですが、まんまとやられました。

しかも終わった後、痛くてうずくまって泣いちゃうとか。(心もお尻も痛い…)
車運転できないからって弟呼び出しちゃうんですよ。

なにこの手のかかる人…可愛い。(*´д`*)キュンッ


それに告白の言葉がね~、冒頭でも上げましたが、「中学の頃からお前が好きだ」とかじゃないんですよ。
拒絶してくれ、自分では終わらせられないから、お前が終わらせてくれ、って、
切な過ぎるでしょ(´_`。)


そして相手が少し色良い返事をしてくれたら、今度は怖くなって、逃げ回ってしまう。

話をつけにきた清竹から逃げ惑って、バスルームで泣きながら膝を抱えて「いやです」って、
お前は乙女か!ってツッコミながら不覚にも涙が出そうになりましたよ(T_T)
ってか、烏堂兄泣き過ぎだし!その泣きボクロだてじゃないね!(←八つ当たり)


…怖いよねぇ。人を好きになるって。
自分が相手に釣り合わない気がして。
この幸せがいつまでも続くわけない、
いつ捨てられるのか怖くって。

でも今、本当に好きな人とつき合ってるからこそ、そんな不安=不幸を抱えていられる。

そんな不幸がずっとずっと続けばいいなという、実はとても幸せなお話でした。




同時収録は「誤算のハート」の2人。

本編で、三城に八つ当たりした兄を弟がガツッと殴るシーン、爽快でしたね(ノ´▽`)ノ
ああ今でも三城は烏堂にとって一番なんだな~って。

そんなラブラブな2人なんだけど、相変わらず何も考えてない三城に対して、将来のことを真面目に考えてる烏堂は少し不安を覚えていて…というお話。

実は三城母とグルだった烏堂はさすがの策士ぶりだったのですが、
「根拠はないけど俺たち大丈夫」って言い切れるこのアホの子は、
やっぱ最強だなと思いましたね( ̄▽+ ̄*)


緒川さんの描くアホの子好きだわ~。有無を言わさぬパワーがあって、キラキラしてる。
烏堂兄がほっぺをつねりたくなる気持ちもわかる気がするw



そして描き下ろしは、清竹と烏堂兄のその後。

台所えちでございます( ´艸`)
お尻痛いだけだったのが、ちょっと気持ちよくなってきて良かったね。
ってか、ASってやっぱ痛いんだな…とこの作品で再認識致しました。



全体的に、烏堂兄の可愛さ、健気さ、いじらしさがすごく胸に来る作品でした。

何度も言うけどギャップがすごいんだよな~。

イケメンがぼろぼろになってみっともなく恋する姿は、本当に本当に素敵だった。


ただいっこだけ難を言えば…。攻の清竹がいまいち影が薄かったかな(^_^;)
これだけの男に惚れられる魅力が、私には今ひとつ伝わって来なかったです。(←烏堂兄可愛さの欲目すぎるw)


なんにせよ、ものすごく好みの作品でした。
緒川千世さんはやっぱ外れないよね(・ω・)b

次回作も楽しみです。(痛くないのでお願い☆)



読んでくれてありがとう(^-^)/黄色い花
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