家族はこうしてバラバラになっていくのか、と思った。知らないうちに親は確実に老いていたし、私は社会の最前線に立たされる準備を着々と進められていた。
私の家ではなく実家になっていく。大学生活は大学時代になっていく。新生活だったあの部屋は思い出に変わる。まだ全然実感わかないけど。
実生活上だけでなく書類上でも地元が過去のものになったという重み。まるで親と決別したような気分だわ。
帰ることは絶対に嫌だったし、暮らせる自信もないし、こっちに私は価値を見出したし、事実5日間で私は音を上げたけど、やっぱり親がさみしそうにしているのを見ると申し訳ないような気分になる。そして実際、いなくなってみると心にぽっかり穴があく。共有できないというのは結構辛いかもしれない。ただ私は、自分の都合のいいときに都合のいいことだけを都合のいいように解釈し共有してくれる都合のいい他人が欲しいだけであって、誰かとわかり合うための努力することとか一人の時間を削ることとかそういう責任を負ってでも、という気概は全くない。ようするに自己中心的なクズ野郎なわけだ。じゃあやっぱりそりゃ一人暮らしが安パイやわな。
 
多分あれよあれよという間に家が変わって、書類も書き換えされて、実感がないのに違和感がある宙ぶらりんな状態だから変にセンチメンタルなんだ。その上ここ最近ずっといた親も帰ったし。移ってきてから初めての完全なる一人だもんな。感情をうまく処理できないな。