わたしのささやかなお願い
この道をまっすぐ行って
右に曲がったところの野原に
咲いている秋桜がほしいの
これから世界と別れる人間の
最後の願いなの

ねえ 秋桜はどんな色ですか?
想像つかないのよ
見たことないのよ
わたしの見てきたものは
冷たい冷たい白ばかり

わたし今が最後のチャンスなの
もうどうなってもいいから
やりたかったことがしたいの
我慢なんてしないわ

星になったらさ
いやっていうぐらいいろんなものを見るわ
誰に何のおとがめもなしに
いろんなことができるのよ
だから悲しくなんかない

でもね
触れることができるうちに
匂いを感じることができるうちに
わたしが存在できるうちに
秋桜だけは見てみたいの

秋桜を見たら
わたしは世界から消えてなくなるけど
悲しくなんかないわ
わたしはあなたの好きな秋桜が
たくさんたくさん咲いている星になるのよ