皆さんこんばんは


福岡県で理学療法士をしてますkenkenです*



 福岡は今日も1日、雨日和で中々気分が晴れませんね、、



そして、気圧の影響か頭痛にも悩まされており、痛み止めをお供に今日1日を過ごしたところになりますネガティブあめ



さて、


 本日は「運動学習のキホン」という、我々リハビリ専門職種の永遠のテーマとなる内容について考えていきたいと思いますキラキラ


私たち専門職は、よく使用する用語ですが、「運動学習」という単語は耳にされたことはありますか。


よくある例えが、「自転車に乗れなかったけど、乗る練習をしてたらいつの間にか乗れるようになった」、「何度もこけて歩きにくかったけど、歩く練習をしているうちに上手に歩けるようになった」など


練習やその経験の過程において、運動スキルの学習が進み、スキル獲得に至ったことなどが運動学習の一例に挙げられますランニング


では、改めまして本題へ



運動学習とは

「練習や経験に基づく一連の過程であり、結果として技能的行動を行い得る能力の比較的永続的な変化をもたらすもの」と定義付けされています。


その運動学習のスキル獲得には、「認知段階、連合段階、自動段階」の3つの段階があります。

①認知段階
学習課題の理解、「なにをするのか」に焦点が当てられる。言語的に考えて、運動がうまく行えるように様々な方法を試していく時期。

②連合段階
「どのようにおこなうのか」に焦点が当てられる。学習の初期段階の誤りを修正しながら、運動の正確性や円滑性が向上してくる時期。

③自動段階
課題遂行のために使われる注意の量が減少し、「いかにうまくやるか」に焦点が当てられる。無駄がなく円滑に目的とした運動を獲得できた時期。



運動学習の例をテニスにたとえると、

・テニスのルールを知る、ラケットの握り方を知る、構えやショットの打ち方を知る 
 ▶︎認知段階

・基本的な動作の習得が進み、動作の荒さが減ってくるが、ストロークやショットの多様さ、条件や環境変化に応じて安定した対応が難しい 
 ▶︎連合段階

・動作自体に注意を払う必要が減少して安定したパフォーマンスが可能、相手に応じた戦略を工夫する余裕が生まれ多彩なプレイが可能になる 
 ▶︎自動段階


 これら①〜③の時期・段階を考慮して、運動スキルを獲得するために必要な指導、練習方法を組み立ていきます。



ここからやや難しくなってくるのですが、、


対象者が運動課題を理解して、スキル習得のために運動実践していく過程において「どんな指導が必要なのか」、「どんなことに気づかせるべきか」の手段を検討していきます物申す


練習の開始に伴い、自分の運動がうまくいっているかどうかの指標とするものの1つに、フィードバック(FB)があります。


フィードバックとは、行動による結果を行動した本人へ具体的に伝え教えることを指します。

また、フィードバックは大きく2つに分けることができます。


👉外在的フィードバック:患者さんの外部から与えられるフィードバックを指す
👉内在的フィードバック:患者さん自身が運動して得られる視覚、聴覚、触覚、固有感覚などによるフィードバックを指す

運動学習の初期段階では、外在的フィードバックが有効とされ、徐々に外側からの指導による誤差修正から内側(学習者自身)での気づきを促していくことが推奨されています

※フィードバックの頻度として、外在的フィードバックを与え過ぎると内在的フィードバックが行わなくなる傾向がみられるとされています(ガイダンス仮説より)


次に練習方法についてです。


練習の組み方として、分散練習集中練習一定練習多様練習があります。

👉分散練習:休憩を長くとる、もしくは頻回に休憩をとる事です。
👉集中練習:訓練試行間の休憩をかなり短くする事です。


 短時間の学習(集中学習)によってできた記憶に比べ、適度な休憩を取りながら繰り返し学習(分散学習)してできた記憶のほうが長続きしやすいとされています


👉一定練習(ブロック練習):1つの課題に関して単一のパターンで行う練習の事です。
👉多様練習(ランダム練習):様々なバリエーションを含む練習の事です。


 1つのスキルを身につけるためには、一定した同じ練習を繰り返すよりも多様性のある練習を行った方が記憶保持や転移の観点からもよいとされています

画像1図 ブロック練習とランダム練習のパフォーマンスの変化(出典:「やさしいメンタルトレーニング」図3-2)
以上をまとめると、

運動学習のスキル獲得に向けた段階には、認知、連合、自動段階と3つの段階があり、その時期に応じて指導の仕方や練習方法を選択する必要がある。また、その時々に応じたフィードバックにより意識的な学習(顕在学習)から無意識的な学習(潜在学習)へ比較的永続した変化をもたらす結果となるように関わっていくことが重要である。

 本日は「運動学習のキホン」というテーマで、やや小難しい話題を話させていただきました。

まだまだこの分野では脳科学の知見からも、日々情報がアップデートされています脳みそ乙女のトキメキ


常に情報を洗練させながら日々の臨床にも取り組んでいきたいと思いますニコニコ



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