ナメごんの緩慢な動きは世界中の誰もが知っているところかもしれない。だけどチャーちゃんの感覚にはナメごんの忍者ぶりが強く刻まれて映っている。忍者は普通すばやい動きが特徴的だが消え隠れするのも得意なのだ。
こんなこと言っても信じないだろうけど、あの緩慢な動きからは想像できないスピードでナメごんが突き進む。そのナメごんの足の速さを見せつけられてチャーちゃんは腰を抜かすほど驚き感動もした。ヤツはチャーちゃんを意識していた。
忍者の武器は手裏剣やけむり玉だけじゃない。身をまもる防具はなにもそなわってないナメごん。だけど...それだからと言うべきか、彼の持ち味は知能戦に見られると思う。知能戦には相手を意識して戦う能力が欠かせない、、でしょう?
ナメごんの視力がどうのと人は言うかもしれない。かりに視力が良くないというのは間違いでないとして、それに替わる研ぎ澄まされた感覚も持たないとして、だからといってナメごんがチャーちゃんを意識しているのを感じないといったら嘘になる。
己に向けられた敵意を感じ知っているナメごんだと思わずに、そのノロノロうごめく姿から愚かでウスノロなヤツと受けとめられても仕方ないとは思う。だが最後に笑うのはナメごんかチャーちゃんか、それは誰にも分らないし、分る必要もないのかも。
ともあれ今は、土遁(どとん)の術もアリの忍者ナメごんということで今日の結論としておきたい。