『砂時計』芦原妃名子による少女漫画、および、それを原作とするテレビドラマ・映画・小説。

『Betsucomi』(小学館)において2003年5月号から2006年7月号まで連載(2005年11月号まで)。
2007年にテレビドラマ化、2008年に小説化・映画化。






主人公の植草杏は、12歳の冬に両親の離婚を機に母親 美和子の実家・島根に越してきた。田舎独特の雰囲気をなれなれしくプライバシーがないと感じた杏。だが、近所に住む北村大悟(きたむらだいご)と知り合い、徐々にその田舎の雰囲気に慣れていくようになる。

そんな中、彼女を支える母親が仕事中に倒れてしまい、自分が「がんばれ」と言って母親を追い込んでしまったと責任を感じた杏は、母親を少しでも助けようと仕事を探す。そして大悟と共にお手伝いに行った村の地主「月島家」で、杏は同い年の月島藤と妹の椎香(しいか)に出会う。

4人はいつしか行動を共にするようになり、杏は嫌で嫌でたまらなかったこの村に居場所を見つける。

しかしその後近くして、杏の母 美和子が生きることに疲れ、自殺をする。杏は葬式の席で、島根に来る途中に仁摩サンドミュージアムで美和子に買ってもらった砂時計を、悲しみのあまり美和子の遺影に投げつけ壊してしまう。そんな杏に大悟は、壊れた砂時計と同じものを杏に渡し、ずっと一緒にいることを約束する。杏も大悟とずっと一緒にいられるよう願う。

やがて時が経つと、杏と大悟の間には恋心が芽生えていき、2人は付き合うようになる。

しかし、杏の父親が杏を迎えに来たため、杏は高校の3年間は東京に住むことになり、2人は遠距離恋愛になってしまう。始めのころはうまくいっていた2人だったが、東京と島根という遠距離、藤のずっと募らせてきた杏への想い、椎香の大悟への想い、さらに、杏の心の奥底にはいつも母親の影が存在していて……、2人の間はゆっくりと拗れていくようになった。そして、ある事件をきっかけに、杏は大悟と別れることを決意する。

少女から大人へと成長する中で、さまざまな恋や別れを繰り返してゆく杏。しかし、杏の心の中は常に母親の存在で支配されたまま…でもそんな中に、ずっと心の支えとなっている大悟の姿も確かにあった。

周囲が徐々に新たな幸せを見つけ出していく一方、独り、杏は幸せを求め奔走していく。




砂時計 マンガのストーリーは誰もが経験したことがある淡い思い出・初恋がテーマになってます。
最初から重い流。
母親の自殺により、その自縛から脱け出す事ができずもがき苦しむ杏
その姿に、ちょっとイライラする場面も多々ありました。
マンガのストーリーでは杏と大悟の二人の初恋の行方を12歳から26歳まで、14年間に渡って見つめています。
出会い、初恋、初めてのキス、別れ、再会…。
春夏秋冬を行き来し島根と東京を舞台に現在、過去、未来をつないでいます。杏と大悟、その二人に恋心を抱く藤、椎香ら、二人を取り巻く人々の心の動きを丁寧に描いています。



お薦めの漫画です。