郭巨山、山建て中止、となりました。 | コバやんの祇園祭レポート&雑記帳

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京都・祇園祭の山鉾町で生まれ育ったおっさんのブログです。

例年6月の第3土日あたり、郭巨山保存会では「チマキの搬入」「吉符入り、会所飾り」を行います。

令和3年は6月20日(日)午前9時から行いました。

チマキは業者の都合で6月2日に既に納入済み。御朱印御札とともに、

7月1日の「吉符入り式」で八坂神社神官のお祓い、ご祈祷を受けます。

 

例年なら町内会員、町外会員、集まって一斉に、チマキ搬入の後、会所の掃除、祭壇設営、チマキ用品の計数ほか7月に向けての準備が本格的に実行に移されるのですが、昨年に続き、未だコロナ禍の情勢の中でもあり、人数を絞って町外会員有志で作業別に班を分け、

会所清掃とお飾り、チマキ用品の計数、御朱印御札の作成の3班に分けての作業となりました。

チマキ用品の計数、会所飾り、順に作業が終わり、昼食休憩を挟んで御札作成(3千数百枚)が終了したのが午後3時前。

最後まで作業に残ったこの日の出席者と公益財団法人郭巨山保存会理事との間で「6/20緊急事態宣言解除時の最終方針」を話し合い、出席者全員の意見を求め検討しました。

 

当初は「郭巨山は建てる!」との気構えで準備を進め、「祭事への参加は自由」としてコロナ感染を危惧する方へ配慮しつつ、コロナ禍の状況に合わせて祭事の規模を決定する方針でしたが、

ワクチン接種も進まず、コロナ禍終息が見えない状況では「御山建て・御山飾り・御山仕舞い」時に会員と大工方への感染リスクが、自己責任の参加自由といえども有り、また、御山を建てる事による一般の方々の滞留による感染の危惧が有る以上「御山は建てないほうが・・・」の意見が出、「感染リスクなし」と言い切れないため「御山建て中止」の結論となり、理事会決議となりました。

 

郭巨山は159年前、文久2年(1862)の悪疫流行のおり、9月2日に急遽御山を建て、3日に御山飾り、4日に祇園本社へ参詣した(往路:四条通、復路:三条通)山鉾唯一鴨川を渡った歴史のある山ですが、当時とは時代背景が違い、やむをえない苦渋の決断となりました。

 

不幸中の幸い、と申しては不謹慎かもしれませんが、郭巨山は昨年、京都文化博物館の「祇園祭展」において巡行時の正装で御山を建てる機会を得、「山建て技法の伝承」と「御神体、懸装品の点検」は2年空かないことになります。

 

今年、令和3年の郭巨山は、昨年同様にコロナ対策をしたうえで、会所において雨戸を半分閉めた状態で「金運御札付き厄除けチマキ授与」「疫病退散の朱印御札」「疫病退散の言葉を添えた手拭い」のお分かちのみ、14日~16日、10時~19時の間、行う事となりました。

チマキは、昨年は3日間、同数に分けての授与で、夕方までに無くなりご迷惑をかけた経験から、今年は「在庫ある限りの授与」とします。

 

会所改修は予定通り、8月から工事に入る予定で、、来年6月に完成。

来年こそは「改修なった会所で、晴れやかにお祭をさせて頂くことを夢みています。

 

なお、会所改修のご寄附については、現在、クラウドファンディング、保存会直接、様々な方法を検討しています。

公にお知らせできる時期が参りましたら、本欄でもお知らせいたします。