先日、またもや慶州(キョンジュ)に行って来ました。もうすでに何回行ったかは不明w
ブログにもアップしているので慶州には何度も行ったことがありますが、今回初めて南山(ナムサン)に行って来ました。
南山(ナムサン)慶州市の南側にあります。東西約4km、南北約8kmに広がっており、約40の谷があります。金鰲峰(468m)と高位峰(494m)の二つの山が連なっている南山は新羅時代、人々の信仰の対象となっていました。
この南山には国宝1点、宝物14点、史跡15ヶ所、重要民俗資料1点、地方有形文化財14点、地方記念物2点、文化財資料4点と数多くの文化遺跡が残されています。2000年12月に世界文化遺産に登録されました。
今回は三陵から始まる登山コースを歩いて来た様子をお届けします。
500番台のバスに乗車、三仏寺・望月寺陵停留所で下車します。道を渡って望月寺へ。
望月寺は大韓仏教元曉宗の寺院です。(大韓仏教元曉宗とは18ある韓国仏教宗のうちのひとつ)
お寺の規模は大きくありませんが、韓国仏教において重要なお寺とのことです。
望月寺の右側に三陵へ向かう裏道があり、その道を通って三陵と南山の登山道の入口へ。
10~15分ほど歩くと三陵に到着します。
三陵は新羅第8代阿達羅王、第53代新徳王、第54代景明王の3基の古墳が集まっていることから「三陵」と呼ばれています。1971年に史跡219号に指定されました。
3基の古墳は策に囲まれていて近寄ることはできません。山陵の周辺は広い松林になっています。
南山への登山道は三陵の北方面にあり、ここから本格的な登山道となります。
慶州国立公園案内掲示板
地図(拡大)
このゲートを通ると人数がカウントされるということです。
本格的と言っても散策路としてきちんと整備されている道なので歩きやすいです。散策路に沿って歩いているとどんな遺跡があるのか看板が出ているのでそれにそって進んでいくと遺跡を見ることができます。
登山道を歩き始めて約10分ほどで最初の遺跡を発見!
三陵溪谷第一寺址と仏像 / 삼릉계꼭 제1사지 탑재와불상
この周辺にバラバラになっていた遺跡を集めたもの。右から2つ目の仏像は薬師如來像です。一番右端のは如来立像で服のしわのでき方を見ると9世紀頃に造られたものと推定されるようです。
少し歩いただけでもう遺跡を発見してテンションはアップ張り切ってさらに進みました。
次に見つけたのはこれです。
三陵溪谷石造如來坐像 / 삼릉계곡 석조여래좌상
規模は高さ1.6m、座っている膝の広さ1.56mで1964年に今の位置よりも南に30mほど離れた所で発見されました。頭と両膝が損失していますが比較的、状態がはっきりとした形で残されていたそうです。全体的な形態を見て統一新羅時代のものと推測されています。
次に見つけた遺跡です。ただの大きな岩に見えますがよく見ると全部で6体の仏像が刻まれています。
三陵渓谷線刻六尊仏/ 삼릉계곡선각육존불
1972年に慶尚北道有形文化財第21号に指定されました。2つの大きな岩に6体の菩薩が描かれています。左側の前に出ている岩の大きさは高さ4mで幅4m、もうひとつの岩は高さ4m、幅7mの大きさです。
左側の岩に描かれている三尊仏の本尊は真ん中の立っている姿で高さ2.65m、両側の脇侍菩薩は座っている姿で高さ1.8mです。
右側の岩に描かれている三尊仏の本尊は右側と同様に真ん中で高さ2.4m、両側の脇侍菩薩は高さ2.4mでどれも立っている姿です。
岩の上には人工的に作られた溝があり、雨水がかからないようにするための水路ではないかと推測されています。
この岩がどれくらい大きいかというと・・・
記念撮影も兼ねて岩の前に座ってみました(笑)岩の大きさがわかれば・・・^^
次の遺跡はこの岩の上を這い上って進んだところにありました。
岩の上から見た景色
三陵溪谷線刻如來坐像 / 삼릉계곡선각여래좌상
1982年に慶尚北道有形文化財第159号に指定されました。三陵溪谷一帯にあるいくつもの仏像の中で唯一、新羅時代のものではなく高麗時代のものであると推測されています。高さ約10m、広さ約10mの岩に描かれています。
そして今回の登山で見つけた最後の遺跡はこちらです。
宝物第666号 三陵渓谷 石造如來座像 / 보물제666호 삼릉계곡 석조여래좌상
1980年に宝物第666号に指定されました。仏像全体の高さは2.38mです。発見された位置に現在も安置してあり、光背はなく台座と仏像だけが発見されました。
このように山の中にゴロゴロ(?)と新羅時代(高麗時代)の遺物が残っています。遺跡を巡るように登山コースができているものの宝探しをするようでドキドキわくわくしながら進みました。
時間の関係上、金鰲峰の頂上までは行きませんでしたが、登山路がいくつもあるので別ルートでまた登ってみたいと思います!
慶州(キョンジュ)南山(ナムサン)
慶州南山研究所ホームページ:http://www.kjnamsan.org/