4月末に、慶尚北道星州(ソンジュ)に1泊2日でファームツアーに行ってきました。

 

星州郡は人口約46万人の都市で、大邱広域市の西側隣接しています。慶尚南道陜川郡よりも星州の方に伽倻山(カヤサン)の約70%が属していますが、この事実は韓国人でもあまり知らないとかw 星州の特産物としてチャメという果物が有名です。

 

今回のツアーのメインとも言える場所が「世宗大王子胎室」で、星州でもっとも有名な場所のひとつです。世宗大王子胎室に関する展示館(胎室文化館)も新しくオープンするそうです。

 

「世宗大王子胎室」は朝鮮時代第4代世宗大王の子どもたちと首陽大君の「胎」が祀られている場所です。

 

「胎」とは今でいう「へその緒」のことです。朝鮮時代、王室に子どもが生まれると胎を切って甕に保存をしてそれを地理的条件の良い場所に埋葬するという風習があったそうです。胎は種、つまり生命の始まりを意味し、王室の起源であると考えられていたため大切に保存されたそうです。

 

現在、19の胎室があり、星州は韓国で一番多く胎室が集中している場所で、1975年に慶尚北道有形文化財第88号に指定されました。

 

 

手前の列は正室の子どもの胎室、置くの列は側室の胎室と身分によって分けられているそうです。

 

ただ、写真の中の一番手前にあるものは首陽大君のものだそです。

 

 

 

日本ではへその緒は乾燥させて保存するのが一般的(ですよね?)ですが、今は韓国では焼いてしまうのが一般的だそうですが(韓国人の友達がそう話していました)、先にも説明を書いたように朝鮮時代はこうやって保存されていたというのが不思議でした。

 

実は、世宗大王子胎室に行く前に禅石寺(선석사)というお寺に行きました。(ブログを書く上で世宗大王子胎室のことを先に書いた方がわかりやすいよ思ったのでこの順番にしました)

 

禅石寺(선석사)は692年(新羅時代)に建てられたお寺で当時は神光寺(신광사)と呼ばれていたそうです。その後、1361年に禅石寺とされましたが1592年に焼失してしまい、1684年に再建されたお寺です。

 

禅石寺に行く道

 

緑豊かな風景に見入ってしまいました。世宗大王子胎室からは歩いて10分ほど離れている場所にあります。

 

鐘や木魚のある楼閣です。

 

 

円音閣(원음각)

 

この建物はデジャン殿(태장전)という建物で、胎が保存されている場所です。

 

デジャン殿(태장전)の外観

 

中には仏壇があり、壁一面には胎が保存されている金色の器が並んでいました。

 

 

 

今でもここに保存している方々もいるようで、建物の真ん中に近い方が値段が高いとか・・・

 

 

テジャン殿の東側に大雄殿があります。お釈迦様の誕生日の前だったので境内には提灯がつるされていました。

 

 

大雄殿

 

大雄殿は慶尚北道文化財資料第113号に指定されている建物だそうです。時間の関係上、中を見ることができずに残念でした。

 

今回の旅で、朝鮮王朝の重要な風習と文化、貴重な遺跡があるということを初めて知りました。他の地域にもあるそうなので機会があればまた見に行ってみたいと思いました。

 

5月19日(木)~22日(日)に星州郡で「星州生命文化祭り(성주생명문화제)」という世宗大王子胎室に関連するお祭りが開催されます。また、その一環として14日(土)に光化門で「胎奉安パレード」という世宗大王子胎室の再現パレードが行われるそうです。

 

朝鮮王朝の貴重な文化と風習を実際に見ることのできる機会なのでソウルに滞在中の方はぜひ見に行ってみてください。

 

 

世宗大王子胎室(세종대왕자태실)・禅石寺(선석사)

 

住所:慶尚北道 星州郡月恒面 仁村里 山8番地(경상북도 성주군 월항면 인촌리 산8번지 )

 

 

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2016年03月27日(日) 今年も慶尚北道旅行リポーターとしても活動します!