先日、写真部の先輩方と「平和列車DMZトレイン」に乗って江原道(カンウォンド)鉄原(チョルウォン)に行って来ました。
平和列車DMZトレインとはKORAIL(韓国鉄道公社)が運行している観光列車で、ソウルから京畿道(キョンギド)坡州パジュに行く京義(キョンウィ)線とソウルから江原道鉄原に行く京元(キョンウォン)線の2線が走っています。
この路線図(↓)で左の方に延びているびが京義線で右の方に延びているのは京元線です。
※イメージはこちらのページからお借りしました。
今回、私達は江原道鉄原に向かう京元線の列車に乗りました。
韓国観光公社で「ご当地シャトル旅」という日帰り地方旅行のツアーがあり、それを利用しました。
DMZトレインに乗って鶴の観察ツアーに行くのは冬の限定ツアーでした。
9:00にソウル駅2階のマクドナルド前に集合、一番右の14番ホームに下りると電車はすでにホームに止まっていました。
一般の列車とは違い、車両には汽車や世界の人々の絵が描かれています。
1両目のデザイン(横から)
2両目のデザイン(横から)↓
平和列車DMAトレインにコンセプトがあります。
歴史と自然が作ったもっとも特別な土地
60余年前の戦争の傷跡が残った土地で自然の偉大な生命力で世界的な生態保護地域としてよみがえったDMZを世界の人々と一緒に平和と愛と和合を込めて走るテーマ列車
(KORAILホームページ 平和列車DMZトレイン客室情報より引用)
DMZトレインの京元線は1日1往復のみ。
ソウル駅を9:27に出発して終着駅の白馬高地駅に11:44に到着です。
車内のでデザインにもすべて意味があるそうです。
天井は自由と希望を込めて空に向かって自由に飛んでいく風船、床は太陽の光を浴びてキラキラと光るヘイワヌリ後援の蓮池、壁面はムグンファ(ムクゲの花)、平和、愛、和合のDMZイメージ写真、椅子は世界的な平和の象徴である風車がデザインされています。
1号車から3号車の窓の上には、朝鮮戦争に関連する写真やDMZの自然を写した写真がずらっと貼られています。
こちらは路線図です。(停車駅が表示)
ソウル(서울)⇒清涼里(청량리)⇒議政府(의정부)⇒東前川(동두천)⇒漢灘江(한탄강)⇒漣川(연천)⇒新炭里(신탄리)⇒白馬高知(백마고지)の順で停車します。
2号車には売店があり、スナック菓子やコーヒージュースなどを販売しています。
売店の目の前の窓際には記念スタンプや今まで乗車した人たちが残して行ったポストカードがありました。
また、軍服を着て記念写真も撮ることができます(笑)
この電車は昔日本でも走っていた(今も走ってる?)ジーゼル車だそうで、電車の上に電線がありません。(そんなことはまったく知らず、一緒に行った先輩たちに教えていただきました)
先輩たちは昔ながらのこの電車に少し感動していたようでしたw
ガタゴトガトゴと電車に揺れること2時間半。終着駅の白馬高地駅に到着しました。
駅は意外に近代的w
ホームには「鉄道中断点」「鉄馬は走りたい」という看板がありました。
ここで線路が切れていました。韓国がまだ、分断国家であることを実感した瞬間でした。
白馬高地駅からは専用バスに乗って移動しました。
まず最初に向かったのは昼食。
イェッコウルスンドゥブ(옛고을순두부집)というお店です。
(住所:江原道 鉄原郡 東松邑 二坪三路 41/강원도 철원군 동송읍 이평3로 41)
すでにテーブルには料理が準備されていました。
このお店の自慢のメニューはスンドゥブと焼き豆腐です。
どちらもお店で手作りしたもので、香ばしくておいしかったです。
バンチャン(おかず)の種類も多くてどれもおいく、おなかいっぱいになりました。
食事を終えて本格的に鶴の観察ツアーに出発。
最初に向かった場所はお店から車で約20分ほど行った場所。
(後から検索をしてみたら鉄原郡 近南面(クンナムミョン) 陽地里(ヤンジリ)という所でした)
バスを降りて川沿いまで15分ほど歩くと観察小屋があってその中から観察をしました。
最初は川に黒い点がいっぱいあって何かなぁと思ったらカモ(のはず)がたくさん!
視線をそのまま右に移していったらタンチョウヅルがいました!
タンチョウヅルのすぐ横にはチョウセンシカ(と言っていましたが、検索しても該当する動物がいないw)がいました。
鶴とこんなに近くにいるのを見られるのは稀なことだそう。ここでの観察は15~20分程度。
次に向かったのはDMZ!検問を通って(車内に軍人さんが入ってきて人数チェックをしました)、中に入りました。
DMZの中は畑(田んぼ?)になっていて、川岸で見たよりももっとたくさんの鶴を見ることができました。
タンチョウヅルの他にマナヅルという種類のツルもいました。
マナヅルはタンチョウヅルよりもひとまわりほど小さくて目の周りが赤いのが特徴だそう。
日本ではマナヅルは鹿児島県出水周辺で見られ、タンチョウヅルは北海道釧路で見られますが、韓国の鉄原では2種類のツルが同じ場所で見ることができます。
これは生態系的にはとても珍しいことだそうです。
北海道のタンチョウヅルは他の地域に飛んでいくことはなく、年中釧路にいるそうで、ここにいたタンチョウヅルは日本から来て日本に帰るタンチョウヅルではない可能性があるそうです。
鶴は(特にタンチョウヅル)警戒心が強くてバスが止まると人の気配を感じて、安全距離を保とうと遠くに飛んでいってしまいます。
バスの中からの撮影で、バスがゆっくり走るのですがそれでも人がいるのを感じるらしく、写真を撮ろうと思うとほとんど後姿ばかり。
鶴は団体で移動するそうで、3羽でいる場合は真ん中が子どもで両脇が親鳥だそう。
まだ成長中の子どものマナヅルは毛が灰色です。
韓国では鶴を1匹見ると寿命が10年延びると言われているそうで(本当か!?)1000年寿命が延びるくらいたくさんの鶴を見ることができました。
ツルをたくさん見てDMZを出る前に訪れた場所は、ツル展示館(두루미 전시관)です。
展示館の中には、この地域にやって来る渡り鳥の剥製が並んでいました。
展示館の前は鉄原平和文化広場があり、戦車や記念碑などが立っていました。
広場には小さな駅舎があります。月井里(ウォチョンリ)駅です。
駅舎の後方には「鉄馬は走りたい」と書かれた看板と朝鮮戦争の時に爆撃された列車の残骸がおかれています。
これは当時、北朝鮮軍が列車の前方部分だけ撤収し、列車の後方部分だけが残されたそうです。
そして最後に行ったのは労働党舎です。DMZの外ですが入り口のすぐそばにあります。
2001年に近代文化遺産に登録された建物で、朝鮮戦争が勃発する前までは北朝鮮の労働党舎として使われていたとのことです。
銃弾のあとが至るところに残っているのを見ることができました。
ここでもまた、韓国がまだ休戦中の状態で、分断国家であることを実感しました。
労働党舎を最後に、ツアーは終わり。
白馬高地駅からまたDMZトレインに乗ってソウルに戻りました。
個人ではなかなか行くのが難しい場所だったので、とても良い経験になりました。
ツアーはすでに終了していますが、DMZトレインは今も運行中です。
(ただし、北朝鮮との状況により運行が中止される場合もあるそうです)
また、KORAILがこのDMZトレインとの連携ツアーを行っているのでそちらを利用すれば周辺観光地を見て回ることができます。
興味のある方は一度行ってみて下さい。
平和列車DMZトレイン(京元線)(평화열차DMZ트레인(경원선))
ソウル駅⇒白馬高地駅
乗車券:大人12,800ウォン(片道)
所要時間:約2時間30分
京元線時刻表
※この時刻表はこちらのページからお借りしました。(2016年3月現在)
KORAILホームページ:http://www.letskorail.com/ebizprd/EbizPrdTrainDMZ_recomm.do (韓国語)
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