不知火勉…この名前と決別してどのくらい経つのだろう
かって俺は筑豊でクレージードッグの異名を持ったクズであった
喧嘩に明け暮れ女に溺れる毎日だったがしかし
或老人と少女が俺を導き厚生させてくれた
老人は既に亡くなっているだろうが、あの少女はどうしてるだろうか
22年の時が過ぎ桜の咲き始める季節になってきて、ふっと思い出す
「トムちゃん、暇なら花見に行かない」
探偵が暇なのは世の中が平和な証拠なのだろうか?
「う~ん、徹マンだったから眠い」
「あら、一緒に寝てもいいのよ」
「ああ…」
俺達は昼間からベッドに潜り込む
「思い出すわね、初めて会った日…………ねぇ?ねぇってば」
よほど眠かったのだろう俺はベッドに入ったとたん落ちたようだ