風の門90p | 仙人のブログ

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 和までの道のりは僅か15分程度

 少し遠回りだが京町と魚町のアーケードを抜け紺屋町へ向かうつもりだが

 魚町の地下に在る天婦羅定食屋の前を通るときに声を掛けられた

 「こんばんわ、麻雀ですか」

 声を掛けてきたのは浦島太郎と名乗ったサラリーマン風の若者だった

 「ああ…和に行ってみるつもりだが」

 「そうですか、良かったら一杯付き合わないですか」

 「ああ…いいよ」

 浦島は俺をグラスハートと言うスナックに連れて行かれた

 「いらっしゃいませ…涼ちゃん珍しいわね、友達を連れてくるなんて」

 「ああ…いまそこで会ってね麻雀の強敵なんだ」

 「あら、強敵はカズさんだけだと思ってたけど、お兄さんもお強いんだ」

 馴染みの店と見えて親しげにママと思われる女が話し掛けてくる

 「ママ、チョット話がしたいんだ…テーブルいいかな」

 「いいわよ」

 浦島は俺を奥のテーブル席に座らせる

 「で、なんだい」

 「えっ」

 「話があるから連れてきたんだろ」

 「そうですね、率直に話した方がいいですかねトムさんには」

 「俺に木村一也の代わりは務まらないぜ」

 「へぇ…何故分かったんです」

 「お前が木村一也を殺ったのか」

 「えっ僕がですか、何故そう思うんですか」