◆今週の重賞展望~阪神ジュベナイルフィリーズ~
<阪神JFの直前総括>
後の名牝を数多生み出すも馬券的には波乱含み!
阪神ジュベナイルフィリーズ(以降、阪神JF)は1949年創設の阪神3歳Sが前身。当初は関西馬限定の旧3歳王座決定戦であったが、1991年度からは牝馬限定の阪神3歳牝馬Sへと変更。東西の分け隔てない3歳牝馬の大一番となった(馬齢は旧表記)。
現在の名称となったのは2001年度から。施行コースは阪神芝外回り1600m。グレードはG1。負担重量は馬齢54kg。現表記2歳女王決定戦の位置づけとなっている。
当レースは創設当初から数多くの名馬を輩出。牝馬限定となってからもヒシアマゾン、メジロドーベルといったその後の活躍馬を続々と誕生させた。近年ではウオッカ、ブエナビスタ、アパパネらの名前が光る。
将来の名牝を発見する楽しみもあるが、実はこのレース、波乱度も非常に高い。馬券的な意味での楽しみも大いに内包する競走となっている。
本年の大注目出世候補はどの馬か?
配当妙味使者の穴馬含めて特捜班が精査!
①近5年1番人気馬巻き返しが目立つも ~中穴の食い込みには要注意!
阪神JFの過去10年間における1番人気成績は(3、1、1、5)。連対40%で3着内率が50%と、意外に低い数字。勝ち馬輩出の順位では各人気の中で最上位であるが、3着内入線確率では比較的苦戦傾向にあるといえる。
逆に勝率は低いものの3着内率で健闘しているのが2番人気。過去10年で(1、0、4、5)と、なぜか3着に食い込むケースが目立っている。
また、7番人気以下の馬からも3頭の勝ち馬が出現しており、10年間で優勝馬含めて10頭が馬券圏内入りを果たしている。こういった意味から、格式の高さに反比例して意外に穴馬の活躍が見込まれると分かる。
もっとも、注意するべきなのは過去5年の近年傾向。2006年以降は1番人気成績が(2、1、0、3)となっており、10年間の勝利数3のうち2を占める。確率論的には半々の3着内率で特筆するほどではないが、勝率の面では急上昇しているのだ。この件は、留意しておくべきかもしれない。2~4番人気の馬券圏内も多くなっている。
過去5年に限定すれば、2ケタ人気の超大穴好走は皆無。最低でも8番人気馬までで、当該人気馬が2頭。
不思議なのは過去10年でみても8番人気の好走比率が高い点で、2頭が勝利。勝ち馬含めて4頭が3着内好走を遂げている。奇妙なデータだが、1番人気が過去10年で3着内入線した頭数5頭と遜色ないことを思えば、これは非常に不気味で不可思議である。
いずれにせよ、中穴以下の台頭を予見した上で予想を組み立てるべきだと、データからは読み取れる。
②差しが届く瞬発力勝負 ~切れ味重視の後傾ラップ!
阪神競馬場の芝1600mは、2006年の改修工事により一新。外回りコースとなって直線距離が473.6mに延長された。スタートから1コーナーまでも400m以上の長い直線を走るため、前半スローになりやすい。最後の直線も前述のように長いため、後傾ラップの瞬発力勝負になるのが基本。ゴール前には高低差2m近い急坂も備わっており、余計に差しが届きやすい構造になっている。
上がりの速い切れ味ある馬を重視するのが、コースの特徴を念頭に置いた上での基本戦略。
東西所属別では関東関西ほぼ互角で、やや関西勢が上回る程度。前走傾向ではファンタジーS上位組の好成績が目立つが、500万下、新馬勝ち直後の馬の活躍も多数ある。
500万下からの経由組は前走1~3着以内だった馬しか好走がなく、このデータを基にすれば案外絞りやすいはずだ。
③やはり軸にはアノ馬か ~阪神JF好走条件データにピタリ合致!
注目馬一覧
アイムユアーズ
ファンタジーSでは8番人気穴馬の扱いながら、見事勝利で重賞初制覇。それまでキャリア3戦で僅か1勝だったが、常時馬券圏内で函館2歳S2着であったことを考えればいかにも人気がなさすぎた。
安定感は全成績をみても分かる通りで、上がり時計でも最速が3度。ファンタジーSでも第2位35秒フラットを記録している。
とくに前走の直線抜け出してきた際の脚は圧巻で、驚くほど加速力があった。中団でも先行でも競馬できるが、やはり控えたほうが持ち味が生きる。
阪神当該コースにおける好走条件や、阪神JF好走の条件を満たす馬。ここは大本命候補だろう。
アナスタシアブルー
萩Sは1番人気支持も4着に敗れ、期待を裏切った。
が、新馬戦の京都マイルでは2着に4馬身差をつけての大差快勝。4角5番手ながら上がり第2位の34秒5を記録しており、スピード能力的には高い馬だ。
除外の可能性もあり出走は微妙だが、巻き返しの期待できる1頭。
アンチュラス
ファンタジーS2着馬で、先行抜け出し型。2走前の未勝利戦では後続に4馬身の差をつけてブッちぎった。スタミナとスピードを兼ね備えるタイプである。
マイルは初距離となるが、阪神は(1、0、1、0)で坂への対応問題なし。重賞好走の実績は侮れず、ここも買い目には必要だろう。
イチオクノホシ
前走は500万下のサフラン賞を勝利。デビューの6ハロンからの距離延長にも対応し、やや重馬場の中を後方10番手から差し切った。
東京7ハロンコースで記録した上がりは最速で、33秒4の時計。新馬戦でも最速上がりを記録しており、末の豪脚は見所がある。
阪神外回りは合いそうな馬。デムーロ騎乗予定で不気味な存在。
エイシンキンチェム
ファンタジーSは2番人気支持も7着敗退。良馬場ではあったが小雨降る天候で、水を含む芝には多少難点があるかもしれない。また、3ヶ月休養明けでプラス10kg。これも同馬からキレを奪った原因の一つだろう。
元々は切れ味秀逸な馬で、ダリア賞では後方から第2位の上がり34秒3で差し切り快勝。京王杯2歳Sを後に勝つ牡馬レオアクティブの猛追を完封している。
叩いて臨む今回は、良馬場なら巻き返しが十分ある。
エピセアローム
小倉2歳S勝ちから、3ヶ月休養をはさんで臨む。間隔があいたのは心配だが、キャリア3戦で馬券圏外なしの安定感。前走は6ハロン重賞であったが、デビューから2戦はマイルで距離への融通がきくタイプ。
逃げ、先行、差しのいずれでも速い上がりを計時し、スピード感抜群。仕上がり次第で十分に好走の目あり。
ガーネットチャーム
新馬勝ち直後だが、評価の高い馬。新馬戦は東京1400mの前が残る流れで、本馬は後方11番手に待機。4角で8番手に上がってから出色の伸びを披露して前の馬をゴボウ抜き。上がり3ハロンは唯一の34秒台(34秒4)で、能力差を見せつけた。
2~4着までは全馬道中1~3番手までの馬で、その状況をひっくり返した点に意義がある。阪神外回りは格好の舞台で、輸送さえクリアできれば興味深い存在。
サウンドオブハート
デビューから2連勝中。前走は中山マイルのオープン芙蓉Sで勝利。先行抜け出して34秒2の上がり時計を記録した。
新潟の新馬戦7ハロンでは2着に4馬身差をつけ圧勝。その際は先行集団の後方から差し切っており、中団での競馬も可能と思われる。
急坂を備える中山で同距離のオープン勝ちを収めた実績から軽視は難しい。直線長くなる点と直前輸送が最大のカギか。
ジョワドヴィーヴル
父ディープインパクト、母ビワハイジの良血。キャリアは新馬戦のみの1走しかないが、当時の単勝オッズは1.3倍と圧倒的。その大きな期待に見事こたえて勝利を飾った。
勝ち方は中団からの差し切りで、上がり3ハロンは2位の34秒1。とはいっても最速上がりを記録した馬は後方一気で34秒フラット。位置取りには差があるも、コンマ1秒の差しかない。本馬の脚がいかに鋭いかが分かる。
未知の勢力で相手は格段に強化されるが、将来性も含めて期待の1頭。
トーセンベニザクラ
前走は東京マイル500万下の赤松賞勝利。後方11番手から33秒2の優秀な上がり時計を記録している。
未勝利脱出までは5戦と時間を要したが、その際の中山では番手からの競馬で上がり3位。さらに1戦前は2着ながら後方13番手から33秒7の最速上がりを記録。自在性もあるが、後方待機の際に繰り出す末脚はかなりの破壊力を持つ。
阪神外回りなら自慢の末脚がうなる舞台。伏兵候補。
ファインチョイス
函館2歳S勝ち馬で、ファンタジーSは1番人気ながら3着。やや期待を裏切った感がある。
しかしファンタジーSではスタートで出負けし、普段の早めの競馬が出来ず。心残りのある負け方であった。
重賞2戦でいずれも馬券圏内の実力は伊達ではない。先行競馬からでも速い上がりで押し切る能力はやはり買いで、この舞台でも軽視不可。スタートを決めて粘り込みを狙いたい。
ラシンティランテ
札幌2歳Sは6着に敗れたが、前走の京都マイル白菊賞で勝利。4角8番手からの差し切りで上がりは最速の34秒9であった。3馬身半の差をつけての勝ちで、他馬を完全に圧倒した。
中団待機から一気の末脚を使う競馬を覚えた現状なら、他の強豪ライバル達とも差はない。阪神外回りなら伏兵候補として扱える。
まとめ~競馬チャンネル推奨の買い方
登録馬35頭の大混戦で、上記注目メンバーだけを取っても伏兵多彩。栗東滞在の関東馬もおり、なかなか油断できず一筋縄でいかない構成である。
実績面や持てる武器の観点からすれば、アイムユアーズが連軸候補にふさわしいが、良血ジョワドヴィーヴルの台頭やエイシンキンチェムの巻き返しも十分にある。その他にも阪神外回り向きの豪脚を備えた馬が大勢おり、絞り込みが非常に難しい。
この意味で、点数の多くなるBOX購入は殆ど無理。やはりここは連軸流しが妥当であり、紛れも想定して馬単と3連単はマルチで買うのがベストだろう。
重賞上位馬を上位候補にマークしてのフォーメーションもありだが、いずれにしても連下は広めに選択するべき。決め撃ちはご法度であろう。