◆今週の重賞展望~マイルCS南部杯~
統一G1東京で開催! ~コース巧者が南部杯を制す!?
マイルCS南部杯(以下、南部杯)は、盛岡競馬場ダート1600mで行われる地方・中央統一G1。1988年に創設され、95年度より中央・地方全国指定交流競走となった。
本来は盛岡で施行されるこの競走だが、今年は東日本大震災により岩手県競馬も被災。これを支援する目的で、東京競馬場での開催と変更された。負担重量は定量。3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬は2kg減となっている。
統一G1であるため、本来、地方馬と中央所属馬との力量比較や見極めは難しい。昨年はJRAのオーロマイスターがコースレコードで優勝するも、3着には高知競馬所属のブービー11番人気(単勝636.3倍)グランシュヴァリエが入り、3連単131万2,650円もの高額配当が飛び出した。
過去10年データを参照すると、2002年の水沢所属馬トーホウエンペラー以降、地方馬の勝利はない。8年連続でJRA所属馬が優勝しており、府中で行われる今年もこの傾向は継続されると思われる。
とはいえ、2~3着に地方馬やJRAの人気薄が飛び込むケースもあり、意外に配当的には美味しいレースでもあるのが南部杯。トーホウエンペラーが勝利した年度は1~3着まで地方馬が独占。馬連で2万1,270円もの高配当だった。
翌年も2着にコアレスハンター(大井・6番人気)が入り、2006年には元JRAのジンクライシス(門別・4番人気)が3着入線。そして昨年の11番人気3着入線がある。
ときおり地方馬の大健闘が起こる点には、くれぐれも注意したい。
今年の軸と激走穴馬を、特捜班徹底解析により導き出す!
南部杯過去10年の1番人気成績は(2、4、1、3)と、やや不振傾向。勝ち馬はアグネスデジタルとアドマイヤドンの2頭しかいない。連対率60%で3着内率も70%あるのに対して、勝率は20%と低くなっている。
この傾向からすると、1番人気馬を1着固定で買うのは困難で、むしろ連軸扱いとするのが妥当。決め撃ちは危険と、データから読み取れる。
また、今年は東京競馬場での開催となる。特捜班はこの点に、馬券攻略における最大のキーポイントが隠されているとみる。
JRAのダートコースは、基本的に地方(公営)競馬場のコースとは異なる特徴を持っている。
時計のかかる地方競馬場と比べて砂が軽く浅いため、中央では速い上がりが要求される。府中ダートマイルの場合は、スタートで芝を150mほど走らされる。直線も501mと地方競馬場に比べて長い上に、坂も控える。
地の利は確実に、JRA所属馬にある訳だ。
コースへの適性。
本年の南部杯攻略ポイントの第一はコレ。
東京ダートのマイルは、JRA所属馬でさえコースへの得手不得手が顕著に出やすい。この点を念頭に置き、重要視する姿勢で、軸馬および穴馬の取捨選択に入るべきだろう。
東西、地方の所属別では、関西勢圧倒的優勢。
牡牝の別では牡馬に分があり、過去10年間牝馬の優勝馬は出ていない。連対および3着も2008、2009年のメイショウバトラーのみ。基本的には軽視でよい。
注目馬一覧
エスポワールシチー
2009年から2010年5月まで、JRA、地方交流合わせてG1を5連勝した実績馬。アメリカ遠征から帰国後はG1未勝利だが、かしわ記念、帝王賞のいずれも2、3着の馬券圏内に入っている。
今年は同型トランセンドとの兼ね合いや、スプリンターズSで骨折した佐藤哲三騎手からの乗り替わりが課題。
理想はハナだが、控えても好結果を残しており自在性もある。全盛期より力は衰えたとみるべきだが、馬券圏内入線の可能性なら大いにある。
オーロマイスター
前走のエルムSでは59kgを背負いながらコンマ1秒差の2着。久々に本来の走りを披露した。
エルムSでの好走は、2戦2連対(いずれも2着)という過去の成績が証明する通りコース適性による部分も寄与していたが、調子が急上昇していた点もファクターとして大きかった。
定量57kgは、現在も好調を維持している状況なら非常に有利。舞台は東京に変わるが、条件馬時代は得意コース。京都ダート1400mでのオープン勝ちや3歳芝オープンの連対実績もあり、スタート地点の芝は苦にならない。昨年に続き、意外な健闘があるかもしれない。
ダノンカモン
重賞勝ちはないが、武蔵野S、根岸S、プロキオンSでいずれも2着の実績を持つ。今年のフェブラリーSでは0.4秒差の4着に入っており、非常に安定した成績を残すコース不問のオールマイティー型。
最も能力を活かせるのは1400mだが、東京マイルでも勝ち鞍があり対応可能。2歳時には芝オープン勝利を飾っており、芝スタートも問題なし。
相手は格段に強くなるが、前走は59kgでオープン勝ちを収めており好調。最大の惑星か。
トランセンド
昨年暮れから今年初頭にかけて、ジャパンCダート、フェブラリーSとG1連勝。ドバイワールドC遠征でも2着に入り、いま最もアブラの乗っているダート界の王者。
東京マイルのG1を勝っているだけにコース適性に問題はなく、約半年ぶりの実戦となるが鉄砲は(1、1、0、0)と得意。実績、実力、近走の充実度やコース適性含めても、大本命候補筆頭。
バーディバーディ
エルムSは11着と大惨敗したが、帝王賞やフェブラリーSでの3着実績がある強豪。
約2ヶ月半の間隔があって臨んだ前走よりも、叩き2戦目となる今回のほうが怖い。元々の実力やマイル前後を得意とする距離適性からすると舐められない。連下候補として買い目には入れておきたい。
ボレアス
ジャパンDダービー2着、レパードS勝利の3歳牡馬。10戦中9戦がダートで、最低着順でも4着。ダートでは底をみせていない能力高い馬である。
ダート9戦中6戦が最速上がりで、他の3戦も第2位。確実に差を詰めてくる堅実な末脚を持ち、長い直線の東京は合う。当該コースでも、ユニコーンSの3着がある。
いずれはG1を獲るであろう好素材。斤量55kgなら、ここが戴冠の舞台となっても不思議ではない。
ランフォルセ
小倉オープン勝利から波に乗り、東海Sで2着、オープン勝利、エルムSも優勝。本格化を迎えた5歳牡馬。
近走成績から平坦小回りに強いと思われがちだが、東京ダートでも(1、2、0、1)と好成績を残す。先行しても、差しに回っても常時速い上がりを繰り出す能力があり、長い直線は苦にしない。
G1初戴冠有力候補の1頭。
JRA、交流重賞で好成績豊富なテスタマッタは、回避の模様(10月3日時点情報)。
まとめ~競馬チャンネル推奨の買い方
歴戦の強者と期待の新星が顔をそろえて、非常に楽しみなメンバー構成となった。
今年は地方からの参戦馬に交流重賞で名を馳せる強豪がおらず、ほぼJRA勢の独壇場となりそうだ。
充実一途なのはトランセンド、ランフォルセ、ダノンカモン、ボレアスの4頭。
実績やコース適性からすれば、中でもトランセンドがイの一番に連軸候補となるだろう。休み明けで好成績を残している点からも、安心して買える軸馬となる。
とはいえ、今年度のメンバーは層が厚く、絶好調期に入っているオーロマイスターにも逆転の目がある。連軸流し、あるいはフォーメーションの購入でも、広めに選択したい。着順固定での的中は困難だろう。
JRA勢が強豪揃いのためオッズは割れると思われる。その意味では、軸馬選びに迷った場合、BOX購入もアリかもしれない。