梅雨に入って毎日が重たい感じですね。


でもそんな気持ちが逃げるくらい気合いを入れて行きましょう!!

受験準備をしている皆さんも頑張っていることと思います。
以前は新曲視唱についてお話ししました。
本日は聴音の練習の仕方についてです。
去年半年間受講して横浜国立大学に合格した生徒さんとのエピソードも
交えてお話しします。

聴音とは?


聴音とは何度かに回数を分けたピアノの演奏を聴き、五線紙にその通り書き写すという作業です。

勿論新曲視唱同様、決して簡単なことではありません。


今年合格した生徒さんは、受験予定の年の8月に私のところへ来ました。

正直内心「どう結果が出るか」微妙な状況でした。


まず①調号を理解していなかった
       ②譜面をあまり書いたことがなかった

全くの初心者だったうえ、残りの時間が少なかったのです。本来なら少なくとも一年は必要です。


そこで一応親御さんには「全力でやれるだけやってみる」と伝え、聴音の特訓が始まりました。

8月 レッスンスタート


初めは旋律のみ8小節の簡単なものからスタートしました。
その時の演奏回数ですが、旋律のみは通しで3回のみとしました。
それと平行して、調判定の法則や書き方も長音階の#から徐々に始めていきました。

使用した教本はこちらです。数ある問題集の中で一番使用しやすく、優秀な教本です。





はじめは当然上手くなんてできません。

でも何度か挑戦するうちに、

苦手な調であったりリズム、音などがわかっていきます。
その統計を記録しながらいけば確実に上達します。
あと大切なのは、出来なかった譜面を写して書く練習をしなければなりません。聴音は書くスピードも重要ですから。

調号に関しても、出来ないものをピックアップして繰り返し解いていく…これもとても効果があり、すぐに覚えることができました。



10月頃 始めてから2ヶ月


この頃にはだいぶ聞き取りが慣れてきたようでした。
旋律を3回で聞けるようになったので、2声のものに入っていきました。

2声の場合、過去の試験では 通しで1回→前半5回→通しで1回→後半5回→通しで1回 となっていました。


しかし、敢えて前半と後半のみ4回に減らす方法をとりました。


ですので実際には、
通し1回→前半4回→通し1回→後半4回→通し1回

減らした理由は、「大変な状況下で慣れれば、本番が余裕だから」。


そして疑い深い性格のため(笑)、本当にデータ通りの演奏回数でやるのかわからないと思ったからです。

実際、試験ではやはり回数が少なく変更されていました


そしてこの時期も苦手な8分の6拍子だけ平行して旋律のみの練習をしました。



1月頃 始めてから5ヶ月


年明けから2週間位、センター試験もあってレッスンの間が空きました。その後センター試験の成績が抜群に良かったのもあって、彼女も勢いに乗っていました。

この頃にはほぼ2声でも間違えることは減っていきました


その中でもまだ苦手そうなものを更にピックアップして詰めて行きました。下旬頃にはかなり自信が付いたようです。


この時期もひたすら譜面を五線紙に書き写す作業は毎日やってもらいました



2月 始めてから半年


いよいよ実技試験がある月になりました。

もうこの時期には間違えることは無く、完璧にニ声聴音を聴き取り、譜面に書くことができました


彼女も聴音自体に自信が付いて、後は試験を向かえるだけの状態でした。最終的に半年間、眠れない日があるくらい試行錯誤した計画がよい結果となりました。

まとめ


聴音を勉強するに当たって、大事なことをまとめました。
①調号を覚える
②譜面を五線紙に書き写す練習をする(スピーディーに正確に)
③基本、旋律8小節なら通し3回のみの演奏
   2声なら通し1回→前半4回→通し1回→後半4回→通し1回の演奏
④間違えたリズム・調・音全てをチェックして、そこを出来るまで詰め ていく
⑤最後まで諦めない!!        

①から⑤までありますが、聴音試験において一番大切なのは⑤の最後まで諦めない気持ちです。


例え思っていたより難しい出題があっても、聞き取れる音は必ず有るのだから諦めてはもったいないです。

実際今年の横浜国立大学の出題はかなり難しかったようです。しかも合格枠はたったの8人です!

非常に狭き門でした。


しかし彼女はそこで怖じ気づくことなく落ち着いて、最後まで諦めないで合格を勝ち取りました。
 
聴音試験に挑戦する皆さん、頑張ってくださいね