未発表の曲が山の様にあって一応PCとCD-の両方に非常にラフだが録っておいてある。その中唯一カセットテープでしか記録していない曲があった「仮題」で「リービングラスベガスを読んで創った」とある。いきなり11年前に記憶が飛んだあの頃僕は本当に酷いうつ病で毎晩ウイスキー、日本酒、焼酎…つまりありったけの酒をちゃんぽんで飲む毎日を過ごしていた。
その生活が半年ほど続いたころに腎臓にツケ回って入院する羽目になった。完全な重度のアルコール依存症だった。リービングラスベガスを読んだのはそのころ。リーブンラスベガスと言う小説(および映画)はアルコール依存症の男が人生の最期を迎えるべく自分の貯金を全部降ろしてラスベガスに来てそこで知り合った娼婦と過ごしてそのまま帰らぬ人となる、という物語。
僕がこの小説並々ならぬ関心を持っているのはそのリービングラスベガス書いたジョン・オブライエンという作家自身も重度のアル中で1,994年に自ら拳銃で自分の頭を打ちぬき自殺した、という事実があるからだ。僕は今ではもう全くお酒は飲まないが、うつ病には相変わらず手を焼いている。僕がよく...「この国に生まれてなかったらこの歳まで生きていない」というのはうつ病の苦悩からジョン・オブライエンのような最期をまんまサンプリングした方法で幕引きをしただろう、ということの意味。
ジョン・オブライエンは事実上この「リービングラスベガス」しか作品がない。それもリハビリでアルコールが抜けた2年間だけの間に書いたものである。しかも発売当初は全くと言っていいほど売れてなくて、ジョン・オブライエンの訃報もどこにも載らなかった。僕は学生時代はとりあえずポジティヴで「そういう世界は自分と無関係」とたかをくくっていたが若干22歳にしてモロにそういう世界の住人になり果てた。
僕はさすがに作品が1つだけ、ということはないが、売れてないし、うつ病からアルコールへ逃避した時期の自分の気持ちが、ジョン・オブライエンの苦悩にシンパシーを感じる。世の中に適合出来なかった、この世に向いてなかった、という事実。ただ本当に不思議なことにあれだけ酒浸りの日々だった自分が今では全くお酒に関心がなく飲みたいとも思わない、ということ。あの時期はアル中の霊か何か執りつかれていたのかなぁ。エハラセンセイにでも聴いてみたい気分だ。グ―ゼンではなくヒツゼンです、とかの一言で終わりそう"(-""-)"