僕が初めて本格的に社会人になった時の職業は某音楽雑誌の編集者としてだった。その雑誌の歴史は古くリニューアルもしていた。僕が入社したのはそのリニューアル前の時のその雑誌が愛読者だったからである。その時のその雑誌には毎号「奇人変人」を紹介するコーナーがあって実はそれは一番の楽しみだった。色々と有名なミュージシャンと仲良くなれてそれはそれで嬉しかったが、それより楽しみだったのがそのリニューアル前の雑誌の奇人変人を紹介するコーナーであった、そのリニューアル前の雑誌を昨日読み返していたら偶然にも以前「生き方が似ている」と散々指摘された「元祖デカダンス」の村山櫂多であった。この人恋する女性には必ずワケあり、そしてその恋愛は成就しない。また人の目を気にせず自分で納得のいく歪な絵や詩を書いている(*_*)。そして退廃的な生活を繰り返し23歳の若さで病死している。しかもそれは危篤の際は田んぼの中であった(*_*)。もう圧倒的に知らない人が多いと思うのだが、この人こそ我が国の「デカダンス」の祖である。周囲に迎合せずに自分の価値観で作品を創るところなんぞはまんま無意識に当方と同じである。親戚の叔母が先日我が家にいらしてくれたのだがその叔母もその手の事に詳しく村山櫂多を知っていた。向こうも「まさか、この歳で村山櫂多を知っているなんて!」と驚いていた。とにかく相次ぐ失恋、歪なアート活動、デカダンスな生き方、と自覚のないまま、また村山櫂多を思い出した(*_*)。